36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件から7月18日で丸4年となった。

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9月に初公判へ 争点は「刑事責任能力」

2019年7月18日、京都市伏見区の「京都アニメーション」の第1スタジオが放火され、36人が死亡、32人が重軽傷を負った。

京都地方検察庁は、青葉真司被告の刑事責任能力を調べる「鑑定留置」を半年間実施した上で、「責任能力を問える」として、3年前、青葉被告を殺人などの罪で起訴した。

青葉被告は調べに対し、「小説を盗まれたから火をつけた。京アニに恨みがあった」という趣旨の供述をしている。

京都地裁は青葉被告の裁判員裁判の争点などを絞り込む「公判前整理手続き」を進めていたが、2023年5月、初公判を9月5日に開く予定であることを明らかにした。判決は2024年1月25日を予定していて、合計32回の公判が予定されている。

関係者によると、6月には京都地検が裁判について遺族への説明会を開き、裁判の流れや被害者参加制度の内容に加え、刑事責任能力が争点になることなどを説明したということだ。

遺族の1人は、「なぜという部分を追及して事実を明らかにしてほしい」とコメントしている。

青葉被告の治療をした医師「いかに謝罪の気持ちを表すか」

青葉被告は自分自身が現場の火事で重度のやけどを負ったが、一命をとりとめた。

青葉被告の治療を行ったのが、主治医の鳥取大学医学部附属病院・高度救命救急センターの上田敬博教授だ。上田教授は、初公判まで約2カ月となった裁判について、以下のように話した。

上田敬博教授:
事件については、司法の場に移っているので自分からその内容について、とやかく言うつもりはありません。内容に関しては司法に任せるとして、基本的には最初のところで、やったことに関して認めて、行ったことや多くの命を奪って、人生を奪って、あるいはまだけがで闘病されたり、悩んだりあるいは家族が傷ついたりしているわけです。そういう人たちに対していかに謝罪の気持ちを言葉や態度に表すかというところ、そこだけにしか注目してないです。自分たちが(青葉被告を)救ったことで、裁判で「非常に反省し後悔している」という言葉が、出てくれたらいいなと思いますし、謝罪については絶対するべきだと思っています

事件伝える「碑」設置へ 「志を繋ぐ会」が発足

14日には、事件を後世に伝える「碑」の設置を目指す「志を繋ぐ会」が発足した。

「志を繋ぐ会」は京都アニメーションの社員や遺族の有志などでつくられた。事件を後世に伝える「碑」を発生から5年となる2024年7月までに設置することを目指していて、14日の会合では「碑」の設置場所やデザインなどについて、話し合われた。

ある遺族からは「碑の設置場所は誰もが来やすく、開かれた静かな場所がいい」という意見が出て、候補として京都アニメーションの本社がある宇治市内の公園などが挙げられた。

多くの犠牲者が出た凄惨な事件。裁判は9月に始まる。青葉被告が裁判で何を語るのか、注目される。

(関西テレビ「newsランナー」7月18日)

関西テレビ
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