往年の名車など、バイクに関する資料を集めた岩手・二戸市浄法寺町の「みちのく記念館」は、閉校した農業専門校の牛舎などを改築し利用している。この施設を運営しているのが、バイク好きの団体「愛輪塾」だ。団体の事務局長・小船浩幸さんは、バイクの魅力に魅せられて資料館の開設を決意し、夢の実現のため「愛輪塾」を結成した。

バイクにかけた青春!

漆塗りなど伝統工芸が盛んな二戸市浄法寺町に、全国のバイクマニアが注目する貴重な品々を展示している場所がある。

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農業後継者の養成施設・県立浄法寺営農高等学園の施設を利用して作られたのが「みちのく記念館」だ。

今では手に入らない往年の名車やバイクに関する貴重な資料が展示されている。

館長の小船浩幸さんの並々ならぬバイク愛が「みちのく記念館」の誕生につながった。

福永一茂アナウンサー:
一台一台にいろんな歴史を感じます。このバイクも相当すごいのかなと思います

みちのく記念館 館長・小船浩幸さん:
これは、ほぼ100年前のバイク(マチレスT/3 製造年1929年ごろ:英国)です。エンジン自体は10年ぐらい前に1回かけて、この辺をちょっと走ったこともあります

福永一茂アナウンサー:
あと、このバイクに僕はびっくりしました。これ白バイですよね

みちのく記念館 館長・小船浩幸さん:
本物の青森県の警察で使っていた白バイ(ホンダCB550F 製造年1974年:日本)です。たまたま店に引き取りか処分に入ったんだと思います

みちのく記念館 館長・小船浩幸さん:
こちらのバイクは今はタイヤメーカーとして有名なブリヂストンが当時作っていたバイク(ブリヂストン90DX 製造年:1966年:日本)で、若い人にもインパクトがあるみたいで、結構人気です

「みちのく記念館」で二戸をPR

バイクの資料館をつくるのが夢だった小船さんは、夢を叶えるための行動を起こす。

みちのく記念館 館長・小船浩幸さん:
最初にやったのが仲間を増やそうと思って、愛輪塾っていう団体を作りまして、古いオートバイを好きな人たちの集まりを始めました

その愛輪塾が34年前に始めたのが「みちのく旧車ミーティング」で、日本各地からバイク好きが集まり、親交を深める。

このイベントの収益金を蓄え、2001年に閉校した学校の施設を借り受け、整備し「みちのく記念館」を開館した。

福永一茂アナウンサー:
二戸の町で開館するという何かこだわりはあったのですか

みちのく記念館 館長・小船浩幸さん:
この通り二戸には何にもないといえば何にもないんです。そんな所でオートバイが集まる施設ができれば、バイクを見に来る観光客が一人でも増えるんじゃないかと思いました。土日が主な開館日ですが年間約1,000人訪れているので、それなりにPRはできているかなと思っています

昭和・平成の文化を令和に

「みちのく記念館」への入場は無料で、維持・管理には全国に約250人いる愛輪塾会員の年会費が充てられている。「みちのく記念館」は愛輪塾の会員にとって大切な場所なのだ。

愛輪塾 塾長・馬場繁弘さん:
色んな方が記念館に来ていただいて、自分が行けなくてもどんどん来てくださるので、ここにいれば色々な方とお会いできます。71歳になるけど、若い人たちと付き合っていると元気をもらえて楽しい

滝沢市の愛輪塾会員:
皆さん、古いバイクを持っている方もいるし話も楽しい。夜の飲み会も結構盛り上がったりする。自分なりに楽しんでいます

秋田県の愛輪塾会員:
知らない人と盛り上がるような会話ができる

「みちのく記念館」には、バイク以外の展示品もたくさんある。昭和のレトロなグッズや、ハリウッドスターのスティーブ・マックイーンが履いていたというブーツなども並び、見ているだけでワクワクする。

みちのく記念館 館長・小船浩幸さん:
バイクだけだと奥さんとか子供が来た時につまらない。奥さんも自分が小さい頃はペコちゃんと遊んだと思う。そういうのを見に来てもいいかもしれないと思って。バイクは当然、出発点なので継続していくつもりですが、昭和・平成の文化を令和につなげる施設にできたらいいと思っています

歴史的なバイク、そしてレトロな空間を演出する「みちのく記念館」と施設を運営する愛輪塾では、定期的にイベントを開催している。

(岩手めんこいテレビ)

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