岡山県内では2022年、農作業事故によって高校生など8人が犠牲になっている。トラクターや田植え機など農作業中に大型の農機具が絡む死亡事故を減らそうと、倉敷市の農機販売会社がトラクターの転倒体感機を開発した。岡山放送のアナウンサーが、実際にこの体感機に試乗した。

農作業中の死者数 横ばいのまま

倉敷市で農機を販売する倉敷河上農機では、相次ぐ農作業中の事故を減らそうと、中古のトラクターを改造し、転倒体感機を完成させた。

2017年に全国ワーストとなった農作業中の死者数は2022年も横ばいの数字に…
2017年に全国ワーストとなった農作業中の死者数は2022年も横ばいの数字に…
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岡山県では農作業中の死者が2017年に全国ワーストの17人に上ったほか、2022年は、稲刈り中の高校生がコンバイン運転中に横転し、死亡するなど8件の死亡事故が起きていて、その数は横ばいのままだ。

“転倒の恐怖”を実感

体感機では、トラクターが圃場(田や畑などの農地)から道路に出る際などに車体が前上がりになりながら転倒する動きが体験できる。

トラクター転倒体感機に乗る長尾アナウンサー
トラクター転倒体感機に乗る長尾アナウンサー

長尾龍希アナウンサーが体感機に試乗したところ、傾斜がきつくなるにつれ、左側に重心がいき、ハンドルをしっかり握っていないと車体から体が投げ出されてしまいそうになった。

傾斜がきつくなるにつれ転倒してしまう恐怖を実感したという
傾斜がきつくなるにつれ転倒してしまう恐怖を実感したという

実際は車体の後ろに農機具がついているということで、傾斜15度を超えると転倒してしまうという恐怖の実感があったという。

倉敷河上農機・山部修嗣社長
倉敷河上農機・山部修嗣社長

倉敷河上農機・山部修嗣社長:
農作業事故があって、なおかつ就農が減るということはあってはならない。安全な作業をお願いしたいという思いで作った

要望あれば貸し出しも…
要望あれば貸し出しも…

倉敷河上農機では、7月に岡山市で開かれる農機の展示会でこの転倒体感機を使った安全研修を行うほか、要望があれば貸し出しをして、少しでも転倒事故を減らせればと話していた。

(岡山放送)

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