2008年、石川県金沢市内のアパートで当時22歳の男性が何者かに殺害された事件は未解決のまま15年が経過した。この15年という年月。発生当時の法律であれば時効だが、事件発生から2年後の2010年、法律が改正され、時効は廃止された。未解決のまま15年たったこの事件。遺族の思いを取材した。

未解決のまま15年経過…金沢アパート殺人事件

殺害された橋本清勝さん(当時22)
殺害された橋本清勝さん(当時22)
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被害者・橋本清勝さんの父 充史さん:
この梅雨時が来ると、本当にもう、一年で一番、気が滅入るというか、清勝が亡くなって15年か…当時22歳だから今年は37歳。年を追うごとにそういう今年はいくつになったっていうようなことを思います。

手を合わせる父の充史さん
手を合わせる父の充史さん

橋本清勝(はしもときよかつ)さん、当時22歳。15年前の2008年6月27日、その未来が突然奪われた。

橋本さんは、当時住んでいた金沢市久安2丁目のアパートで、何者かに頭を複数回殴られ、殺害された。警察はこれまで、のべ約4万9000人の捜査員を動員。今も30人体制で捜査を続けている。

事件発生当時のアパート
事件発生当時のアパート

警察は、2022年6月、事件について何らかの事情を知っている可能性がある人物の似顔絵を公開した。

被害者の母 真由美さん:
鳥肌が立つような辛さが、それを見た瞬間にあったってことは、何か、大きな進歩に繋がるんじゃないかなって感じて

母親の真由美さん
母親の真由美さん

事件から15年。当時の法制度なら2023年6月27日、時効を迎えている。しかし、2010年、改正刑事訴訟法が施行され、殺人罪の時効は廃止となった。

「最初は時効撤廃は関係無いと思っていた」

父 充史さん:
時効撤廃は関係ないんじゃなかろうかなって当初は思っていたんですけど、一年過ぎ二年過ぎ、あれ?これは…という風に、まぁ、時効撤廃されて良かったなって。

6年前、癌を患い手術をした母の真由美さん。「犯人を必ず捕まえる」という清勝さんとの約束を1日たりとも忘れたことはないと言う。

警察官:
金沢中警察署です。15年前の事件の情報提供を呼びかけています。

この日、橋本さんの両親は現場近くの街頭に立ち、警察とともに情報提供を呼び掛けた。

母 真由美さん:
私が生きている間に必ず検挙してもらうという思いで、きょうも、これが最後という思いで皆さんにお願いに上がりました。

父 充史さん:
お願いします、清勝の無念を晴らして下さい、お願いします。

発生から15年 現場では4年ぶりに同時間帯に検問

そして、事件発生からちょうど15年の2023年6月27日。事件現場周辺では、事件の発生時刻に合わせた検問がコロナ禍を経て4年ぶりに行われた。

父 充史さん:
正直に言ってこの場所に来るのは嫌なんですけども…しかし、事件が解決していない限り…何か僕らに手伝いできることがあれば。そんな思いで来ました。

母 真由美さん:
本当にこれが最後(の検問)っていう気持ちで、何とか頑張ります。

情報提供は金沢中警察署(076−222−0110)まで連絡してほしい。

(石川テレビ)

石川テレビ
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