長野県中野市で4人が殺害された事件から6月25日で1カ月。警察官2人を殺害した疑いで青木政憲容疑者(31)が逮捕・送検されている。始めは容疑を認めていたが、現在、玉井さん殺害は「覚えていない」と供述が変わっている。犯罪心理学の専門家は「落ち着いて考える中で自分の行為を否定したいという思いが働いているのでは」と指摘している。

一方的に思い込み、恨みを募らせたか
「ぼっちとばかにされていると思った」
女性2人を襲ったことについて、このように話した青木容疑者。
現場近くをほぼ毎日、一緒に散歩していた2人。
2人が散歩中に話す様子を「ぼっちと自分をばかにしている」と一方的に思い込み、恨みを募らせた可能性があるという。

供述に変化「覚えていない」
一方、現場に駆け付けた警察官2人を殺害したことについて、逮捕直後はー。
「射殺されると思って先に撃った」
しかし、事件から1週間ほどたつと―。
「殺すつもりはなかった。銃が暴発した」
さらに、6月17日、玉井良樹さんを殺害した疑いで再逮捕された時にはー。
「玉井さん殺害については覚えていない」
供述に変化が…。

専門家「行為否定したいのでは」
犯罪心理学の専門家は「自分で自分の行為を否定したいという思いが働いているのでは」と指摘する。
新潟青稜大学・碓井真史教授:
逮捕されて落ち着いて考えていく中で、自分はとても大変なことをしてしまったという思いに変わりつつあるのかもしれない。自分で自分の行為を否定したい、否認したいという思いが湧いているのではないか。それと4人の殺害ですから、有罪になれば死刑の可能性が高いですので、法定戦略として今あまりうかつなことは言わない方が良いというようなアドバイスを(弁護士から)もらっているのかもしれません

警察は今後、女性2人に対する殺人容疑でも順次逮捕し、さらに追及する方針だ。
(長野放送)