鶏卵業界では、鳥インフルエンザの影響などで卵の価格高騰が続いている。食卓に欠かせない卵の価格は今後どうなるのか?宮崎・都城市で卵の生産を行うフュージョンの赤木社長に話を聞いた。

飼料価格高騰で養鶏場が廃業

フュージョンは、鶏をヒナから育て、採卵、パック詰めまで一貫して行っていて、1日に約100トンの卵を出荷している。

この記事の画像(6枚)

フュージョン・赤木八寿夫社長:
福岡や大阪などの都会は、お昼過ぎに卵が納品されて、夕方には無くなっちゃう。夕方に卵を買いに行くと6個入り300円とかの高級卵しか売れ残っていない。それをしかたなく買っているのが都会。それくらい卵が足りない

卵の相場は2022年4~7月までは200円前後で推移していたが、円安やウクライナ情勢の影響で飼料価格が高騰。2022年8月以降は毎月約20円ずつ上がり始めた。

フュージョン・赤木八寿夫社長:
エサの値段があまりにも上がりすぎて養鶏場さんが廃業していって、卵の生産量が減ってきた結果、相場が上がってきた

それに追い打ちをかけたのが鳥インフルエンザだ。

「元に戻るまでには1年半は必要」

2022年から2023年にかけ、国内で84件、約1780万羽の鶏が殺処分され、シーズン最多を大幅に更新した。卵の相場も2023年2月以降、約350円台に上り、高止まりが続いている。

フュージョン・赤木八寿夫社長:
鳥インフルエンザが発生した農場が徐々に今、鶏を入れていっているけれども、それでも元に戻るのには1年半かかる

――2024年の夏くらいには鳥インフルエンザが流行する前の状態くらいに戻る?

フュージョン・赤木八寿夫社長:
戻れると思いますよ。それはでも、2023年の冬に(鳥インフルエンザが)出ないことが条件ですけどね。(2023年の)11月以降に鳥インフルエンザが出てしまえば、よりひどい状況になる可能性がある。

何事もなければ年内に280円程度に

卵の価格高騰はいつまで続くのだろうか。赤木社長は今後の見通しについて次のように話す。

フュージョン・赤木八寿夫社長:
今の350円というのは異常事態で、おそらくこれは冬になってインフルエンザが出なければ年内で収まる。280円を割ってくると思うけれども、昔みたいな200円前後という相場はたぶんもう二度とこない。あまりにも養鶏場がつらすぎて廃業している。だから1パックでいうと250円くらいを受け入れる姿勢でいてくれないと非常に困るかなと。

赤木社長は「生産者の廃業を防ぐためにも高値が続くことはやむを得ない」と話していた。

(テレビ宮崎)

テレビ宮崎
テレビ宮崎

宮崎の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。