高騰するガソリン価格。9月4日時点の長野県内のレギュラー1リットルあたりは194.5円で5週連続で過去最高値を更新した。16週連続で全国最高値だ。一方、長野県内でも地域間で格差が出ている。阿部知事はガソリン価格の高騰について、「今の状況は放置できない」と述べ、対策を講じたいとしている。

長野市内のガソリンスタンド
長野市内のガソリンスタンド
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愛知、埼玉、新潟とは10円以上の差

ガソリン価格の高騰が続いている。9月4日時点の県内のレギュラー1リットルあたりの平均価格は194.5円で、前の週から0.5円上がり5週連続で過去最高値を更新した。 

隣県と比較してみると、愛知、埼玉、新潟とは10円以上の差が出ている。

県民の中には他の県に行って給油する「越境給油」も増えているという。

ハイオクは205.7円、軽油は175.6円でいずれも前の週より0.6円値上がった。

長野県内のレギュラーガソリン価格(石油情報センター調べ)
長野県内のレギュラーガソリン価格(石油情報センター調べ)

県内で“地域格差”も「最大7円」

一方、価格の格差は県の中でも―。 

長野市では、ガソリンスタンドによって値段が変わるが、レギュラー1リットルあたりは195円前後。

一方、中信地域では、松本や塩尻では多くが180円台。

長野市と比べ5円以上安くなっている。

松本市内のガソリン価格
松本市内のガソリン価格

県が独自に調査している県内10広域ごとの平均価格では、最も安いのが諏訪地域で189.6円、次いで松本地域の190.4円。逆に最も高いのは木曽地域の197円、高い地域と安い地域では7円以上の差が出ている。

なぜ、県内でも格差が出ているのか?

県などによると、石油の輸送基地が松本にあり松本地域や諏訪地域は輸送コストが他の地域に比べ抑えられることや、県外の大手が参入し価格競争が激化していることなどが考えられるとしている。 

県や地域をまたいで給油する事態ともなっているガソリン価格の高騰。

長野県内10広域ごとの平均価格
長野県内10広域ごとの平均価格

“越県給油”に知事「由々しき事態」

阿部知事は6日、経済団体やトラック協会などの代表者と「物価高」や「物流問題」について意見を交換した。

この中で、ガソリン代の高騰について「県として今の状況は放置できない、ガソリン価格について、しっかり実態を把握することが必要だ」と話し、対策を講じたいとしている。

また、県をまたいでガソリンを給油している例があることを挙げ、「由々しき事態だと正直思っている」と述べた。

長野県・阿部守一知事(県庁 9月6日)
長野県・阿部守一知事(県庁 9月6日)

そのうえで、「物流の経路の問題もあると思う、企業間の競争の在り方も課題としてあると思う」と話し、県としてどういう体制を講じればいいのか検討していきたいとしている。

会合では、県内での価格の差についても、意見が交わされた。

政府は9月7日から元売り各社への補助金を引き上げるため、石油情報センターは来週は6円弱ほど下がると見込んでいる。

(長野放送)

長野放送
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