車いすテニスの小田凱人選手が、史上最年少で全仏オープン優勝を果たした。快挙を達成した「一宮の星」の17歳の素顔に迫った。

貝吹コーチ「史上最年少で1位になれる選手だと確信をもって支えてきた」

愛知県一宮市出身・車いすテニスの小田凱人選手は、四大大会の全仏オープンで世界ランク1位の相手を下し、見事17歳1カ月の史上最年少でグランドスラムを制した。

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地元の人A:
テレビで昨日見ました。誇らしいし、すごいなと思います

地元の人B:
誇りでございます。ずっと応援していこうと思います

小田選手の周囲も快挙を信じていた。貝吹健コーチは、小田選手が10歳の時からその活動を支えてきた。

貝吹健コーチ:
彼は正直世界一になれる、史上最年少の(世界ランキング)1位になれる選手だと確信をもって支えてきたつもりです。今までの彼とのことや、同じチームのみんなが力を合わせて努力してきたことが、一瞬のようにスローモーションのような不思議な体験でした

仲間と共にたどり着いた栄光は、苦難の先にあった。

骨にできるガン・骨肉腫。サッカー少年だった小田選手を病魔が襲ったのは小学3年生の頃だった。12時間に及ぶ手術を経て、車いす生活に…。

絶望という暗闇の中、自ら光を見つけた。

小田凱人選手:
何か自分がビビっとくるようなものが、その時あったので。最初はたしか国枝選手の試合だった

車いすテニス界のレジェンド・国枝慎吾選手に憧れ、テニスの道に進むと、チェアワークに磨きをかけ、力強いサーブを武器にトッププレーヤーへと駆け上がった。

わずか4年、14歳で世界ジュニアランク1位に輝くと、国内最年少15歳でプロ宣言。2022年10月、16歳の時には、憧れの国枝選手をフルセットに追い詰めるほど成長した。

小田凱人選手:
今まで憧れで国枝選手のプレーを見て始めたっていうこと。結果が勝った負けた関係なく、僕は絶対にそれを伝えたかった

その後も快進撃は続き、4月のジャパンオープンも制覇。引退した国枝さんの後を継ぎ、車いすテニス界を引っ張る存在として注目されている。

普段の小田選手は…SNSにはおしゃれな写真がいっぱい

小田選手が注目を集めているのは、プレーだけではない。ばっちり決めた髪型にこだわりのファッション。自身のSNSには、おしゃれな写真で溢れる17歳らしい一面も垣間見える。

全仏オープンの舞台・パリでは、凱旋門の前でポーズする写真も投稿した。小田選手は以前、この凱旋門に特別な思いがあると語っている。

小田凱人選手:
凱人っていう名前の「凱」も、凱旋門の凱っていうところからとられているというのもあって、すごい特別な思いもあります

名前の由来となった凱旋門を初訪問。貝吹コーチによると、写真にはウラ話があった。

貝吹健コーチ:
彼はもう次の、同じフランスで行われる大会に向けて昨日は移動日でして。インスタの写真も本当に早朝に、移動の前に寄ったというような状況です

日本での練習拠点は、岐阜県岐南町。中学生の頃から通っているテニスクラブのスタッフに、小田選手について聞いた。

テニスクラブのスタッフ・畑田美由紀さん:
普段は17歳の男の子なんですよね。お菓子を食べないって聞いています。「これ食べる?」って渡したいんですけど、「ごめんなさい」って言われますね

素顔も知るからこそ、その活躍には喜びもひとしおだ。

畑田美由紀さん:
こんな身近ないつも会っている男の子が、あんな賞を取って有名になって、親心ではないですけれどもとても嬉しいです

(東海テレビ)

東海テレビ
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