目撃者の男性:
エスカレーターを上りきった所で、もう血の海が…。男性がお腹を抱えた状態で、かなり流血した状態で倒れていた。

事件直前まで現場付近にいた人:
席が多くて賑わう店ですよね、あんなにいろんな世代の客が集まる所で…。

目撃者の女性:
映画で見るような人々が全力で逃げる感じだったので、本当にただ事じゃないことが起きたんだろうなという…。怖くなって私も逃げたんですけど。

この記事の画像(25枚)

5月26日午後7時半ごろ、東京・町田駅近くのコーヒー店で起きた発砲事件。市民の日常が突如、銃撃の舞台に。周辺の4店舗を取材すると、居合わせた人々を恐怖に陥れた一部始終が見えてきた。

目撃者が語った恐怖の一部始終

現場は東京のベッドタウン、町田市のターミナル駅「JR町田駅」のすぐ近く。

このビルは1階にバス乗り場、3階以上が駐車場で、2階に駐輪場や子ども向けの芝生広場、そして、飲食店エリアがある。

そんな老若男女が集まる場所で、金曜夜の賑わいの中、凶行の舞台となったのは2階にあるカフェだった。

飲食店A:
バンバンって破裂音が、2回聞こえたんですよね。事故なのかなと思ったんですよ、最初。で、しばらく経ってまた3発ぐらいですかね?パンパンパンと…。そのあと店の外を覗いたら、通行人が、JRの通勤とかの方が逃げてたんですよ。ちょうど長野県(の立てこもり事件)もあったんで無差別発砲かもしれないなと。シャッター降ろして店の鍵も閉めて、一応電気も落として。店営業してないよってカモフラージュをして、お客さんにも「キッチンの中に逃げて下さい」って。

とっさにお客を守ろうとしていた店主。だが、この時、銃を持った人間がどこにいるかなど、知る由もない状態。迫る恐怖に襲われる。

飲食店A:
「いつ来るか、まだいるのかな」っていう。お客さんも動揺はしてたので…。いったん110番の通報をしたんですよ。警察の方も「もう何軒もそういう連絡があって、今向かってる」っていうのを聞いたんで、店の外に出たんです。

すると、目に飛び込んできたのが…。

飲食店A:
被害者の方、倒れてるのを目撃したので、倒れてる人の下に、こう血の海がある感じっていう…。

コーヒー店がある飲食店エリアから外に出る辺りに、血まみれの男性が倒れていたという。

飲食店エリアから外に出る辺りに、血まみれの男性が倒れていたという
飲食店エリアから外に出る辺りに、血まみれの男性が倒れていたという

被害男性に何があったのか?別の店主が目撃したのは凄絶な光景だった。

飲食店D:
男がうつ伏せの男性をしばらく見て…背中に1発、撃ち込んで逃走したんです。

証言によると発砲事件当時、78席あるコーヒー店の店内は半分ほどが埋まっていたという。

事件後の現場検証の様子を見てみると、特に捜査員が集まっていた場所があった。

現場検証で捜査員が集まっていたのは…
現場検証で捜査員が集まっていたのは…

そこは、入り口に近いソファー席。発砲事件後、現場を離れやすいこの辺りに座っていた可能性があるのか…。

入り口に近いソファー席。現場を離れやすいこの辺りに座っていた可能性?
入り口に近いソファー席。現場を離れやすいこの辺りに座っていた可能性?

客はパニック…最後に“とどめ”の一発

周辺にあるお店からは、こんな証言が聞かれた。

飲食店B:
バーンって聞こえて店の表に出たら、私の記憶では(銃声が)7、8回だったんですけど、こっち(コーヒー店の右方向)から追いかけてきて撃ったと言っていた。

飲食店D:
男性がコーヒー店から血を流しながら出てきて、容疑者とみられる男が追いかけながら、数発撃っていました。コーヒー店のお客たちは半ばパニック状態で、数人が周辺の店舗に逃げ込んでいました。

容疑者とみられる男が追いかけながら、数発撃っていたという
容疑者とみられる男が追いかけながら、数発撃っていたという

さらに、撃たれた男性はこの柱の横にうつ伏せで倒れたという。すると、追いかけてきた男は…。

飲食店B:
(被害者が)床とかに寝転がっちゃっていて倒れている状態なのに、さらに床に向けて発砲してたって言っていて、怖いですよ。

「拳銃の弾を入れ替えていたのか、カチャカチャと操作して下に向けて撃っていた」
「拳銃の弾を入れ替えていたのか、カチャカチャと操作して下に向けて撃っていた」

飲食店C:
1人、男の人が立っていたのでなんだろうと思ったら、たぶん拳銃の弾を入れ替えていたのか、カチャカチャと操作して下に向けて撃って。最後の“とどめ”のような感じで。そして、走って逃げたんですよ。

死亡したのは、山口組系暴力団の鈴木英東(ひでとう)幹部、51歳。

拳銃1丁を持って出頭した
拳銃1丁を持って出頭した

そして、自ら拳銃1丁を手に出頭し、銃刀法違反で現行犯逮捕されたのは職業不詳の佐々木誠容疑者、58歳。

防弾チョッキとジュラルミンの盾を持った警察官が、警備に当たっている
防弾チョッキとジュラルミンの盾を持った警察官が、警備に当たっている

「最終的にはどっちかが殺される」金銭トラブルか

容疑者の知人男性が、Mr.サンデーの取材に応えた。

容疑者の知人:
金の貸し借りで揉めてて、向こう側の、被害者の組織からまあ狙われて、もうやらなかったらやられてたっていう話になっちゃうんですね。どっちかがもう。最終的にはどっちかが殺されちゃうかっていう。

しかしなぜ、駅近くのコーヒー店という場所で凶行に及んだのか?

容疑者の知人はあくまで推測とした上で、こう話す。

容疑者の知人:
時間も時間帯だし。帰る人もいるし、仕事帰りの人も多分いると思うんですけど、恐らく待ち合わせして、この時間でここだったらそういうこと(発砲など)はないかな、話し合いで終わるだろうっていう、安心しきってた部分があるかもしれないですけどね。

相手を油断させるために街の日常が利用された可能性…。それに市民たちが巻き込まれるリスクはゼロではなかった。

事件直前まで現場にいたという男性は、こう語った。

事件直前まで現場付近にいた人:
コーヒー店は、混む時には本当に満席に近いぐらいですよね。半分以上は入る店ですよね。巻き込まれた人がいなかったのは、本当に運が良かったのかなと…。

(「Mr.サンデー」5月28日放送)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(25枚)