保育施設で相次いで発生した、離乳食を食べた後の窒息事故。

鹿児島県の保育園では4月中旬、生後6カ月の女の子がすりおろしたリンゴを食べた後、意識不明に。5月中旬には愛媛県でも、生後8カ月の男の子が保育園で給食のリンゴを食べた後、一時心肺停止となり、意識不明の重体となった。

2人は、リンゴをのどに詰まらせた可能性があるという。

離乳食を作る際のポイントと、食後に寝かせる場合に気を付けなくてはいけない点について、母子栄養協会の川口由美子代表理事に聞いた。

滑らかになっているか指で確認

ーー生後6か月の赤ちゃんにすりおろしリンゴを与えるのは大丈夫?

問題ありません。
ただ、すりおろしたリンゴでも、少し粒が残っている状態だと注意が必要です。

6か月ぐらいの離乳食では、いわゆるヨーグルトのような全体的に滑らかな状態であることがポイントになります。

母子栄養協会・川口由美子代表理事
母子栄養協会・川口由美子代表理事
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ーーリンゴの繊維は注意が必要?

繊維そのものが問題というよりも、すりおろす段階で粒のまま残ってしまうことがあるので、調理の際にはしっかり指などで硬さを確認して、月齢が小さいうちは、全体的に滑らかになっているかどうかをチェックすることがポイントです。

リンゴが問題なのではなくて、ほかの食材でも注意が必要です。

ーーリンゴのすりおろしを作るポイントは?

リンゴのすりおろしは、加熱することによって柔らかくなり、水分を含むようになります。
リンゴを加熱しないで粒の状態で摂取してしまうと、気管に入ってしまう可能性は否定できません。

水と一緒に煮ると全体的にトロッとするので食道に入りやすく、誤飲が減るというのがポイントです。

食べた後は口の中をきれいに

リンゴなどのすりおろしは、加熱することで全体的にトロッとして食べやすくなるという。

そして、1歳になるまでは仰向けに寝かせるように推奨されている乳児。

食後のお昼寝は、麦茶やミルクなどで口の中をきれいにして、何も残っていない状態で寝かせることが大事だと川口さんは指摘する。

(イメージ)
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ーー離乳食の注意点は?

離乳食で注意すべきことは、全体的に滑らかであることと、食べた後に口の中をきれいにすることです。

食後は母乳やミルク、麦茶などで口の中をきれいにして、何も口の中に残っていない状態で寝かせることがとても大事です。

1人で座っていることがまだ難しい赤ちゃんを残して、その場を離れないといけない時は、少し傾斜のある台に乗せるのが望ましいです。

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ーーのどに詰まりやすい果物は?

りんご、梨、柿というのは、小さく切ってものどに詰まりやすいので、しっかりと加熱してトロトロな状態にすることが大事です。

そして離乳食をあげる時は、噛みやすい状態で、しっかり食べていることがわかるような分量をあげることが大切です。次々と詰め込むのはやめましょう。