大分県別府市に“中学生以下ならだれでも利用できるが大人だけでは入ることができない“図書館がある。本が好きだったおじいさんの「子どもたちのために…」という意志に基づいて作られた小さな私設の図書館を取材した。

小さな図書館「おじいさんのもり」

大分県別府市にある「おじいさんのもり」。今の時期、木漏れ日と新緑も素敵で、雨の日もとても落ち着く場所。

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TOS小笠原正典キャスター:
ここはおじいさんのもりという、小さな私設の図書館です。たくさんの木に囲まれていて、この大きな木、樹齢100年を超える樫の木なんだそうです。大きいですね。玄関が見えてきました。おじいさんが待ってくれています。

大人だけでは入れない図書館?

閑静な住宅街にある小さな図書館「おじいさんのもり松本記念児童図書館」。1985年に開館し今年で38年目。絵本や児童書が約2万冊ある。

中学生以下ならだれでも利用できるが、大人だけでは入ることができない図書館。

図書館を作ったのは…

この図書館を作ったおじいさん、松本得一さん。1984年、昭和59年に94歳で亡くなった。子どもたちのために…という意志に基づいて、亡くなった翌年にここができた。ここは松本さんの自宅があったところ。

高橋伸子館長:
とても本が好きな方だったということは聞いております。それと、やはり…将来、別府のことを考えたときに子供を育てるということがとても大切だと思って図書館を作りたいというふうに思っていたということは聞いてます。

大切にしている「定番の絵本」

「おじいさんのもり」では、長年多くの人に読み継がれている「定番の絵本」を大切にしている。長く愛されるのには理由があって、それらの本には子どもたちを成長させる力がある…という。

高橋伸子館長:
「おおきなかぶ」とかもそうですけれども、やはりこの絵の力みたいなものがあって、この本を声を出して読むことによってやはり耳から楽しみ、目で見て楽しむっていうような、そういうことができるというふうに思います。文章そのものにしても、無駄な言葉が一つもない。例えば「とてつもない」なんていう言葉は普通に言えば一般の語彙の中にはないですよね。でも、これを読むことによって子供はとてつもなく大きなものっていうのが一体何なのかということがこのカブを見てわかるわけです。

「大人が読んであげて欲しい」

そして高橋館長は、これらの絵本を「大人が読んであげて欲しい」という。「子どもの言葉を作る」にはまず「大人が読んであげることが大事」だと。

高橋伸子館長:
ただ字を読むことだけだったらできますけど、やはり内容を理解して、そしてその内容を楽しむことをするためには、やはりおうちの人なり学校の先生なり周りの人たち、おじいちゃんおばあちゃんなりが読んであげて初めて楽しむことができるようになるわけです。

おじいさんが残してくれた、緑に囲まれた図書館。本に手を伸ばす子どもたちの姿をおじいさんは杜の陰から見守ってくれているような気がする。

松本記念児童図書館「おじいさんのもり」
大分県別府市西野口町4-1
電話番号:0977-21-4646
休館日:月曜・火曜
開館時間:12時30分~17時

(テレビ大分)

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