長野市の「公園廃止問題」。5月13日、市は保護者説明会を開き、2024年度の2学期をめどに近くの青木島小学校に子どもの新たな遊び場をつくる計画を示した。荻原健司市長は、保護者らの意見をできる限り計画に反映させ、「子どもが安全でのびのび過ごせる環境づくり」に取り組みたいとしている。
「遊び場」の確保が課題
子どもの声がうるさいなど一部住民の苦情がきっかけで廃止された長野市の「青木島遊園地」。
遊園地はこれまで隣の「児童センター」が利用してきたため、今後の「遊び場」の確保が課題となっている。
この記事の画像(8枚)長野市・荻原健司市長:
遊園地の存続を望んでいた皆さんには、その思いがかなわず改めてこの場でおわびしたいと思います。申し訳ありませんでした
代替の遊び場は「小学校」
13日、青木島小学校で開かれた保護者説明会。市は遊び場の確保について計画案を示した。
まず、1、2年生が利用する「児童センター」は2024年度中に青木島小学校内の「子どもプラザ」と統合する。その上で、小学校の老朽化したプールを解体し、新たな「遊び場」をつくる。完成するまでは中庭を開放する。
プールの解体は2023年度から着手し、保護者の送迎用の駐車スペースの整備も進めるとしている。
保護者から「不安」の声も
出席した保護者は―。
保護者:
(児童センターが)今も窮屈だっていうところが、また窮屈な状態になるので、これからどうなるのか不安
保護者:
これからのびのびと過ごせていけるのかなというのが少し不安
保護者からは児童センターとプラザが統合することで窮屈になるのではと不安の声が上がっていた。
ただ、市長が3月の時点で小学校移転の方針を示していたためか、説明会の対象は480世帯だったが、出席したのは54世帯にとどまった。
多くの人に後味の悪さ残す
青木島遊園地を巡っては、子どもの声がうるさいとの一部住民の苦情をきっかけに市は一度廃止を決めた。
しかし、一部住民の意見だけで決めるのはおかしいと異論が相次ぎ、市は2月に住民説明会を開いた。 そのとき、荻原市長はー。
長野市・荻原健司市長(2023年2月):
皆さまの話を受け止めた中で廃止のままでいくのはどうかなと
しかし、市長はその後、地権者に後利用の計画があることなどを理由に改めて4月末での「廃止」を表明した。
今回の問題で市は住民の声を聞く場を設けたが、結果的に反映されることなく地権者との関係で廃止の結論を出し、多くの人に後味の悪さを残した。
そして、公園は4月末に「廃止」―。
市長「利用者目線の意見とすり合わせ」
市は公園に代わる「遊び場」の確保などの検討をしていて、5月13日、保護者向けに説明会を開き、計画案を示した。
説明会後、荻原市長は取材に応じ、次のように述べた。
長野市・荻原健司市長:
今後、利用者目線のご意見を今回示した案とすり合わせながら、改善すべきものは改善していきたいと思っています。できるだけ子どもたちの遊びの環境をしっかり確保していく、そういうことを念頭に入れながら進めていきたいと思っています
荻原市長は、保護者らの意見をできる限り計画に反映させ、「子どもが安全でのびのび過ごせる環境づくり」に取り組みたいとしている。
(長野放送)