名古屋千種区今池のミニシアター「名古屋シネマテーク」が、2023年7月で閉館することになった。

ファンからのカンパなども寄せられていたが…「ここまで来たらダメ」

代表の倉本徹さん:
精いっぱいやった。もうここまできたらダメだと

そう語るのは、名古屋シネマテーク代表の倉本徹さん。2023年7月末に劇場を閉鎖することを決めた。

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シネマテークは、名古屋のミニシアターの草分け的な存在として、1982年に千種区の今池にオープンした。

客席数40席と、全国のミニシアターの中でもとりわけ小さな映画館だが、昭和の名画や若手監督のインディーズ作品、国内外のドキュメンタリーなど、通好みのプログラムで長年ファンに愛されてきた。

名古屋の映画文化を守ってきた老舗で、東海テレビ制作のドキュメンタリーも、これまで20本以上がシネマテークでかけられた。2017年公開の「人生フルーツ」は、観客動員約1万人と過去最高を記録した。

しかし、2021年には…。

支配人の永吉直之さん:
ほとんどの映画が毎回(客入りが)1桁が多い。いただいた支援を少しずつ切り崩して、今運営している状態ですね

長引くコロナの影響や動画配信サービスの普及などにより経営状態が悪化。ファンからのカンパなども寄せられていたが、赤字が続き今後の見通しが立たないことから、閉館を決めたという。

代表の倉本徹さん:
1200万円、赤字としてはね。これ以上やってもマイナスになるから。頑張ろうとしても頑張れない

2023年3月には、東区のミニシアター「名演小劇場」が無期限の休館に入ったばかりで、また一つ名古屋のミニシアターの灯が消えることになる。

シネマテークでは、閉館の7月に合わせ、原一男さんなど昭和を代表するドキュメンタリー監督の特集上映を予定している。

閉館日は7月28日の予定だ。

(東海テレビ)

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