札幌近郊に次々と増える屋内遊戯施設に、いま札幌の子供たちが殺到している。
親が子供を連れて来るそのワケを探った。

目標の倍以上の利用者が殺到

北海道・岩見沢市の市民交流施設「であえーる岩見沢」にある「あそびの広場」は、岩見沢市が2015年に作った全天候型の屋内遊戯施設だ。

この記事の画像(22枚)

小さい子供でも楽しめる「ごろごろ広場」には、約1000冊の絵本やおもちゃがある。開放感のある「はらっぱ広場」にはボーネルンドの遊具があり、365日、子供が思いっきり遊ぶことができる。

中でも一番人気なのが軽トラック。

由仁町からの親子:
軽トラでずーっと遊んでいて。軽トラに乗りに来ているような状態です

乗り物好きの子供たちが殺到する軽トラック。 

荷台に直接ジャンプできるのも楽しいようだ。

当初は年間2万人の利用者が目標だったが、いまでは目標の倍以上、約5万5000人が利用している。

市外から多くの人が来る理由

井戸 和也 記者:
実は、岩見沢市外から来る人の方が多くいるのです

利用者の約7割が岩見沢市外から来ていた。

北広島市から孫と来たおじいちゃん:
北広島市から。安くてクライミングとか楽しく遊べるので、孫が気に入っていて3回目になります

子供:
(Q:何が好き?)上るところ。シューって降りるところ

札幌市からきたお父さん:
札幌からはじめて来ました。かなりリーズナブルに利用させていただけていいです

人気の理由は、たった100円という利用料金の安さ!

なぜこんなに破格の値段なのだろうか?

破格の値段の理由は

岩見沢市教育委員会 會田 浩之さん:
もともと市民を対象としている施設だったため、高額な料金を設定せず、いまの金額になっています

岩見沢市では、複数部署にまたがる子育て支援の連携を高めるために、保健センターや子育て総合支援センターを一つのフロアに集めて「えみふる」をつくった。

この遊戯施設も、子育て支援の一環として岩見沢市民を対象と考えていたが、徐々に口コミで市外からの利用が増えたという。

岩見沢市教育委員会 會田 浩之さん:
市外からも来ていただき、近隣の飲食店や商店で買い物していただくことも期待しています

総事業費9億2000万円の施設がお目見え

そして札幌近郊では、利用料金が安くて充実した遊具がある施設が、新たに増えた。

井戸 和也 記者:
オープン前にもかかわらず、すでに200人以上の行列ができています

北海道・南幌町に3日オープンした屋内遊戯施設「はれっぱ」だ。

札幌からの家族:
札幌から来ています。自然のもので遊べればいい

利用料金は、町内の子供は100円。町外の子供は300円。
特徴は、同伴する保護者は無料で入場できることだ。

千歳市から:
子供しか料金がかからないのがすごくいいと思う。300円だったら毎週でも来られる良い価格設定だと思いました

オープン初日の3日は、入場制限がされるほどの人気ぶりとなっていた。
 

子供:
(Q:何が楽しかった?)
トランポリン!転んでも痛くないところ!

総事業費9億2000万円をかけた施設は充実している。

「アクティブゾーン」にあるスラックラインでは、バランス感覚を鍛えることができる。 

滑り台は2つあり、高い滑り台にはクライミングでしかたどり着けないようにできているなど、遊びながら子供たちの運動能力を鍛えられる仕掛けが満載だ。

町民の要望で作られた「木育ゾーン」は、たまごのプールや木製のおもちゃなど木のぬくもりを感じられるようになっている。

保護者は入場無料“移住促進”も狙いに

南幌町がこの施設をつくった目的は子育て支援以外にもあった。

南幌町まちづくり課 前田 洋佑さん:
町外からも来ていただけたら公園もあるし住宅街もあるので、暮らしの様子がわかる。施設に来ることでPRにもつながると思います 
 
現在、移住促進のために子育て支援に力を入れている南幌町では、「はれっぱ」に町外から人が訪れることでさらに移住が増えることにも期待している。

南幌町まちづくり課 前田 洋佑さん:
移住につながればいいけど、まずは街を知ってもらいたい。南幌町の街中まで遊びに来る機会がないので来ていただきたいです

次々と増える郊外の屋内型遊戯施設。
その背景には、街を訪れるきっかけとなる役割もあった。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。