新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられた事で、なくなったものがある。それが宿泊療養用に石川県が借り上げていたホテルだ。そのホテルで3年間にわたり感染者のケアに尽くしてきた看護師に思いを聞いた。

療養ホテルで最後の新型コロナ患者を送り出す

石川県金沢市の宿泊療養者向けのホテル。中に入るのはメディアで初めてだ。入口のロビーにある詰め所は、看護師が患者の健康観察を行ったり、県の職員が病院と入院調整を行ったりした場所だ。

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最後のスタッフミーティングでは…。

石川県看護協会 中出みち代看護師:
先ほど午前8時20分に3年間で最後の患者さんがお元気で退所なさいました。これで3年と22日に及んだ青空ハウス(療養ホテル)での遠隔看護を閉じたいと思います。皆さん本当に色々とありがとうございました。

療養ホテルの運用が始まったのは2020年4月15日。県は金沢市にあるホテルを順次3棟、借り上げ軽症患者の療養施設として6922人の患者を受け入れた。

「一日夜勤したら2キロ体重が減った」死を覚悟した看護師の日々

第1波から患者の看護を担当したのが、県看護協会の中出みち代さんだ。

中出看護師:
最初の頃、一日夜勤したら2キロは体重が減りました。レッドゾーンに皆、死ぬ覚悟で…。今思うと笑い話ですけど、皆そんな思いだったんです。

1117日間の戦いを終えた今の思いを聞くと…。

中出看護師:
何だかものすごい安堵感でいっぱいですけど…県民の皆さんからもたくさんの支援を頂いてひたすら感謝しています。無事に終われたことが何よりです。

ホテルは2023年6月1日から通常営業を再開する。

石川県看護協会 小藤幹恵会長:
みんな自分で洗濯せんなんでしょ、お部屋で。だから洗濯粉とかパルスオキシメーターを備蓄していた。
稲垣真一アナウンサー:
測定器もたくさんある!
小藤会長:
体温計とかね…。きょうから始まる行動制限のない新生活。

県看護協会の小藤会長はこうアドバイスする。

小藤会長:
迷ったら手を洗うとかそういう習慣を続けて頂ければいいと思いますし、コロナを特別怖がることはないけれども、そういう感染対策が普段の日常生活の中で身に付いたということを宝物にしていって頂ければいいなと思っております。

(石川テレビ)

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