プロ野球の2023年シーズンが開幕してもうすぐ1カ月。各球団に入団した新外国人選手も続々とデビューを果たしている。期待通りの成績を残す選手もいる一方で、まだ本領発揮には至っていない選手もいる。そんな中、3月に横浜DeNAベイスターズ入団を電撃発表したトレバー・バウアー(32)が2軍戦でデビュー。「S-PARK」はその試合に密着し、超大物助っ人投手の衝撃に迫った。

試合開始2時間半前で既に1000人を超える行列ができていた(16日横須賀スタジアム)
試合開始2時間半前で既に1000人を超える行列ができていた(16日横須賀スタジアム)
この記事の画像(11枚)

16日午前10時半。2軍(ファーム)のDeNA対西武が開催される横須賀スタジアムには、試合開始前から長蛇の列ができていた。試合開始は午後1時で、試合開始2時間半前の時点で、既に1000人を超えるファンが集結していた。

T・バウアーのデビュー戦を観戦するために駆けつけた横浜DeNAベイスターズのファン
T・バウアーのデビュー戦を観戦するために駆けつけた横浜DeNAベイスターズのファン

ユニホームを着ているファンに並んだ理由を聞くと、「バウアー選手です」「もちろんバウアー投手」「バウアー選手です」。元サイヤング投手・バウアー目当てのファンがほとんどだった。

入団会見でのT・バウアー(32)
入団会見でのT・バウアー(32)

3月の入団会見で「一番大事なのはとにかく勝つこと。優勝を勝ち取ることです」と力強く語ったバウアー。

日本でのサイヤング賞投手は61年ぶり

メジャー通算83勝、5年連続2桁勝利をあげ、2020年にはサイヤング賞を獲得。サイヤング賞とは、メジャーの年間で最も活躍した投手に贈られる賞で、大谷翔平(28)もダルビッシュ有(36)も獲得していない、投手最高の栄誉だ。

サイヤング賞投手が日本でプレーするのは、1962年のD.ニューカム(中日ドラゴンズ)以来、61年ぶり2人目。現役バリバリの超大物がついに日本でベールを脱ぐ。

試合開始前に外野で遠投するT・バウアー
試合開始前に外野で遠投するT・バウアー

ファームでの試合にもかかわらず観客数は超異例の2680人。注目のバウアーは試合前、外野で遠投、肩をならしていた。

T・バウアー日本デビューの初球。
T・バウアー日本デビューの初球。

そして、いよいよ日本での初登板。注目の初球はストレート。一球でライトフライに打ち取る。その後、ランナーを背負うも、ナックルカーブで空振り三振、さらに鋭く曲がるスライダーで連続三振。一級品の変化球で初回のピンチを脱すると、メジャーでも恒例だった“刀パフォーマンス”も初披露した。

ピンチでギア上げ“6球連続”空振り

3回、再びピンチを招いたバウアーはここでギアを上げる。初球はストレートで空振り、続く二球目もストレートで空振り、そして、三球目はこの日最速155キロのストレートで三球三振。続くバッターにもなんと6球連続ストレートで、すべて空振り。

日本デビュー戦は「4回(53球)4安打6奪三振無四球、無失点」と前評判通りの実力を見せつけた。

試合後に取材を受けるT・バウアー
試合後に取材を受けるT・バウアー

試合後には、
「調子は良かったよ」「体の調子もコントロールも良かったから、いい一日だった」
と振り返ったバウアー。

“投げる科学者”の新ルーティン

イニング間のピッチング練習前、“バックスクリーンに向かって腕を振る”ルーティンについて意図を聞かれると、「いつもやっている準備運動のひとつで肩を温めるためにやっている」「プロ野球ではイニング間の投球は5球、今までは8~9球投げることができていたから、早く肩をつくる必要があるんだ」と説明。

イニング間のピッチング練習前、“バックスクリーンに向かって”腕を振るT・バウアー
イニング間のピッチング練習前、“バックスクリーンに向かって”腕を振るT・バウアー

メジャーのピッチング練習は8~10球なのに対して、日本のプロ野球は5球。その差を埋めるために3度腕を振っていたという。“投げる科学者”と呼ばれるほど研究熱心なバウアー投手は、衝撃の方法で肩を温めていた。

サイヤング賞投手の初マウンド。その注目の高さが分かる数字が球場に詰め掛けた観客数以外にもあった。

DeNAバウアー(32):
全てのファンにありがとうと伝えたい。ここに来てくれたファンはもちろん、配信で見てくれた皆さんにも伝えたい。7万7000人が見てくれたと聞いているよ。

この試合を中継していた球団の公式youtube。普段のリアルタイムでの視聴数約5000が、今日は15倍の7万7000と衝撃の数字を叩き出していた。次回登板は22日のファーム楽天戦(午後1時試合開始 神奈川・平塚)を予定しているバウアー。さらにギアを上げる“超大物助っ人”からますます目が離せない。

『S-PARK』 旬なネタをどこよりも詳しく!
4月22日(土)24時35分から
4月23日(日)23時15分から
フジテレビ系列で放送

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)