岸田首相が和歌山市の演説会場で爆発物を投げつけられた事件で、捜査関係者への取材で逮捕された男がナイフを所持していたなど新たな事実が明らかになった。

木村容疑者が投げたとみられる爆発物
木村容疑者が投げたとみられる爆発物
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現場付近の防カメに木村容疑者の姿

事件から一夜明けた和歌山市の雑賀崎漁港。

岸田首相がのぼるはずだった演台の上にはまだマイクが置かれたままで、規制線が張られ、鑑識作業が続けられていた。

事件が起きたのは、15日午前11時半ごろ。岸田首相が選挙の応援演説に訪れたところ、突然、筒のようなものが投げ込まれた。

投げ込まれた筒のようなもの
投げ込まれた筒のようなもの

不審な男に気づいた漁師や警察官が聴衆の中にいた銀色の筒のような物を持つ男を取り押さえたが、そのすぐ後に、投げ込まれた銀色の筒が爆発。岸田首相はすでに避難していて無事だった。

威力業務妨害の現行犯で逮捕されたのは、職業不詳の木村隆二容疑者(24)。

爆発が起きた漁港付近の事件当日の防犯カメラ映像には、岸田首相の車列が到着してから約1分後に、演説会場方向へと歩く木村容疑者の姿がとらえられていた。

リュックを背負った木村容疑者。

演説会場に向かう木村容疑者
演説会場に向かう木村容疑者

別の角度からの映像でも、足早に会場に向かう姿が見られた。

警察によると、木村容疑者が投げたとみられる爆発物は手製とみられることがわかった。また、木村容疑者は、爆発物のほかに、現場でナイフを所持していたこともわかった。

木村容疑者を取り押さえたひとり、赤いシャツを着ていた西出さんは当時の様子を語った。

西出さん:
その時は無我夢中で、右手で物を払った記憶がある。結果的にケガ人も1人も出なかったのでそれは本当に良かった。

“おとなしい普通の青年”

警察は16日午前1時ごろから、兵庫・川西市の木村容疑者の自宅で家宅捜索を行った。捜索は午前9時すぎに終了。事件の動機や爆発物について、調べたものとみられる。

木村容疑者の自宅近所の住民からは、木村容疑者について“おとなしい普通の青年”という声が聞かれた。

近隣住民A:
(木村容疑者は)家族4人。兄弟は、お姉ちゃんと息子さんとお父さん、お母さん。別に普通のご家庭ですよね。奥さんと息子さんがジャージ着て草刈りを手伝ってたことが印象に残っています。

近隣住民B:
とにかく大人しくて、こんな大それたことをするような感じでは一切ない。

一方で、父親との関係について…

近隣住民B:
お父さんはよく怒っていた。(怒られても)ジーッと。下を向いてるだけで。全然、言い返すような子じゃない。おとなしい。家庭内で何かあったのかなって。

木村容疑者は警察に対し、「弁護士が来たら話します」とだけ供述し、黙秘しているという。

(「イット!」4月16日放送より)