いま、各地で相次いでいる、いわゆる“置き配”をめぐるトラブル。

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一体どんなトラブルが起こっているのか、なぜ起きてしまうのか?「めざまし8」は、現状を取材しました。

荷物を放り投げ足蹴に…「置き配」トラブルの現状

「何やってんのかなって感じで。(外に)出るにもちょっと恐ろしいし、様子を見てたって感じなんですけど」
めざまし8の取材にそう話すのは、置き配トラブルに遭ったという人物です。

左手に配達物とみられる封筒
左手に配達物とみられる封筒

トラブルが起きた日のマンションの防犯カメラを見せてもらうと、左手に封筒のような荷物を持った配達業者の配達員の姿が。

玄関に向けて曲がる配達員 その後大きな音が
玄関に向けて曲がる配達員 その後大きな音が

玄関に向けて曲がった次の瞬間、「ゴト!」と何かがぶつかったような音がします。玄関のカメラを見てみると、大きな音の正体は、荷物を放り投げた際に起きたものでした。

無造作に荷物を放り投げる
無造作に荷物を放り投げる

さらに配達員は荷物を足蹴にして、床に置いてあるケースと壁の隙間に無理矢理入れようとします。

 
荷物を足で蹴って隙間に入れようとする
荷物を足で蹴って隙間に入れようとする

最後は手で押し込み、スマホで写真を撮るしぐさを見せると、そのまま去って行きました。

このとき、「置き配指定」をしていた荷物の購入者は在宅していましたが、乱暴に荷物を扱う配達員に困惑し、恐怖で外に出ることができなかったといいます。

購入者の元に届いた配達済みの写真
購入者の元に届いた配達済みの写真

通販アプリに「お届け済み」の通知とともに届いた写真には、足で蹴られ、隙間に押し込まれた商品が映っていました。

購入した商品に破損はありませんでしたが、その後、カスタマーセンターへ連絡。全額返金の対応になったということです。

置き配トラブルに遭った人:
かなり不愉快に思っています、今でも。やっぱり常識を持って、ちゃんと配達員としての自覚を持って、丁寧に配達してほしいです。人の物を運んでいるんで。

この人物の他にも、めざまし8が取材を進めると、ポストに無理矢理押し込まれ箱がゆがんでしまったものや、雨の中、屋根のない場所に置かれ、包装が雨で濡れてしまったもの。包装だけでなく、商品まで破損してしまったものも。

箱だけでなく中の商品も損壊したものも
箱だけでなく中の商品も損壊したものも

1日100件の配達 ノルマに追われる中でのストレスも原因か?

コロナ禍もあって、すっかり生活に定着してきた「置き配」。
感染予防や不在時の受け取りの便利さで利用している人が多くいますが、中には宅配業者を装う強盗事件が相次いでいることを受け、あえて置き配にしている人や、女性の1人暮らしで配達員と会うのが怖いなど、防犯的な面で利用しているという声もありました。

様々な理由で利用者が増加するなか、相次ぐ「置き配」トラブル。
物流に詳しい専門家は、その背景のひとつに「過重労働」があると指摘します。

戦略物流専門家 角井亮一氏:
かなり過酷労働なのは間違いないですね。
例えば、きょう100件届けなきゃいけないとなると、100件絶対行かなきゃいけないんですよ。遅れられないということがあるので、必死でやるわけですよね。だから、ちょっと雑になってしまうというところもあると思うんです。

増え続けるノルマに追われ、配達が雑になってしまう面もあるのではないかといいます。

実際に1日約100件の配達をしているという配達員に話を聞くと、「100件でも少ない方」だといいます。

配達員:
基本ずっと運転して、あとは外走ってということが主になるので、体力はかなり使うかなと思います。時間指定のものがかなり多くあるので、それを間に合わせるために時間との勝負かなとは思っていますね。
やっぱり再配達が入ると、一回行った場所に、もう一回戻らないといけないという形になるので。時間の履行率というのも、どんどん下がってしまうので、やはりそこはひとつのストレス感じてるのかな。

限られた時間で多くの荷物を運ぶ配達員の仕事。ストレスは感じていると言います。
最近の「置き配」トラブルについて、同じ配達員として、どう考えているのでしょうか?

配達員:
まあ信じられないですよね。せっかくお預かりしてる大切なお荷物を乱暴に扱うのは、ありえないというか、考えられないなとは思ってます。

(めざまし8 3 月28日放送)