誰でも着物を気軽に楽しめる「キモノール」という着物がある。キモノールとは一体何なのか、石川県中能登町にオープンした施設を取材した。
どんな人にも着物を！「キモノール=KIMONALL」
石川県中能登町瀬戸にある「KIMONALL BASE 瀬戸花見月」。障害のある旅行者向けに観光地のバリアフリー情報を提供するNPO法人「石川バリアフリーツアーセンター」が保育園があった場所を改装し、3月7日にオープンした。
凰えこさん：
たくさんの着物がありますが、キモノールって何ですか？
石川バリアフリーツアーセンター 坂井さゆり理事長：
キモノールっていうのはご高齢になったり障害があって、「着物を着たいけれどなかなか着られない」と諦めている方が、どこでもどんな場所でも簡単に着られるようにと、色々工夫して寄付していただいた着物を作り直ししてあるものなんです。
どんな工夫なのか見せてもらうと…
坂井理事長：
後ろをパッチンパッチンと面ファスナーで…
えこさん：
後ろが開くんですか！
坂井理事長：
こういう風にすると前から着物を着られるので、本人の負担がほとんどかからないかなということで…
坂井理事長：
襦袢からね。
えこさん：
可愛い！
という事で、えこさん実際に着付けてもらった。襦袢は赤ちゃんの肌着のように前で合わせて紐で結ぶだけ。
着物は上下で分かれていて…
坂井理事長：
足入れますね。こっちも入れますね。
えこさん：
ズボンみたいにはくんですね。
車いすに座ったまま下衣を着ることができる。そして…
坂井理事長：
ここ手を入れます。こっちも手を貸していただいて入れます。
袖を通した後は、背中側のボタンと面ファスナーを止めるだけ。
あとは帯を巻いて、作り帯を車いすにセットすれば…
えこさん：
出来ました。
着付けを始めてから約6分半、座っているだけで完了だ。
えこさん：
すごく楽です。全く苦しくなくて、きれいに誰でも着物を着ることができるのは、すごく素敵だなと思いました。
織物の産地・中能登町からKIMONALLを！
施設にはKIMONALLの趣旨に賛同する全国の人から多くの着物が寄付される。
それをこの施設で加工しKIMONALLに仕上げている。
坂井理事長：
中能登町って織物の産地なんですね。そこに全国から色んな方が気持ちで着物を送ってくださる。それをリメイクするのはこの街にピッタリなことなので、この街を起点として皆さんに来ていただけるように発信していきたいと思っています。
えこさん：
この地域からKIMONALLがもっと広がっていくのが楽しみですね。
坂井理事長：
そうですね、そうなってほしいと思います。
今回紹介したのは車いす用だが、立ったまま簡単に着られる着物もある。高齢者や障害がある方だけでなく、若い世代にも着物をもっと身近に感じられるきっかけになるかもしれない。レンタル料は着付け料込みで浴衣は3000円から、着物は6000円からという事だ。
（石川テレビ）
