FNNの3月の世論調査で、岸田内閣の支持率は45.9%と、3カ月連続で上昇した。一方、マスクの着用が個人の判断に委ねられたが、「以前と同じように着ける」と答えた人が51.9%と半数を超えた。
内閣支持率 3カ月連続上昇45.9% 20代は28.4%
FNNは、3月18・19日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1095人から回答を得た。
岸田内閣を支持する人は、前月から5.3ポイント増えて45.9%。支持しない人は5.5ポイント減って47.7%だった。
この記事の画像(10枚)岸田内閣を支持する人を年代別に見ると、18・19歳・20代が28.4%、30代が42.7%、40代が38.8%、50代が42.9%、60代が53.7%、70歳以上は58.8%だった。
60代以上では支持率が5割を超えているが、20代の支持率は3割を切っている。
報道各社の世論調査の支持率は、このところ上向き基調にある。松野官房長官は20日の会見で、「世論調査の数字に一喜一憂しない」とした上で、一般論として、「世論調査に現れた国民の声を真摯に受け止め、政府としての対応に生かしていく」と述べた。
個人判断でも「以前と同様マスク着用」51.9% ワクチン接種は半々
これまで支持率に影響を与えてきたのが、新型コロナウイルスへの対応だ。
今回、政府の新型コロナ対策を「評価する」は、前月より9.2ポイント増えて63.7%。「評価しない」は28.8%だった。
日本での新型コロナウイルスの感染拡大から3年。政府は、対応の緩和に動き出している。
マスクの着用は3月13日から、屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねられた。これを受け、マスクをどうしているか聞いたところ、「以前と同じように着ける」が51.9%だった。「本当に必要がない限り外す」は14.7%、「以前より外す機会を増やす」は33.1%。着用が個人の判断に委ねられても、すぐには外さない人が多いことがうかがえる。
一方、今後、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けるかどうか聞くと、「接種する」が49.2%、「接種しない」が47.0%で、対応が別れた。
賃上げ要請「評価する」71.4% 異次元対策で少子化「改善しない」78%
さらに、岸田首相の評価につながっている政策を見てみたい。
岸田首相が力を入れているのが賃上げだ。経済界に対し、今年の春闘で物価上昇を上回る賃上げの実現を要請している。岸田首相の賃上げ要請を「評価する」は71.4%と7割を超え、「評価しない」は23.9%だった。
物価高対策も重要な課題だ。政府与党は、物価高対策として、所得の低い世帯に一律3万円を支給し、さらに低所得の子育て世帯には、子供1人あたり5万円を支給することを検討している。この支給案を「評価する」は52.4%、「評価しない」44.0%だった。
今がラストチャンスだと岸田首相が危機感を滲ませるのが少子化問題。岸田首相は「異次元の少子化対策」を掲げ、今月中に、児童手当や子育て支援の拡充、仕事と育児の両立などの政策のたたき台をつくる方針だ。
異次元の対策で少子化が改善すると思うかとの質問では、「相当改善する」(1.1%)と「ある程度改善する」(17.9%)をあわせて、「改善する」が19.0%。一方、「あまり改善しない」(54.2%)と「まったく改善しない」(23.8%)をあわせて、「改善しない」が78.0%。8割近い人が、少子化が改善しないと答えた。有権者にとって、少子化対策の効果は未知数のようだ。
日韓関係「良くなる」54.5% ウクライナ「訪問した方がよい」53.3%
外交では、韓国の尹錫悦大統領が16日、来日した。韓国政府は、日韓最大の懸案、いわゆる元徴用工問題について、日本企業の賠償の支払いを韓国政府傘下の財団が肩代わりする解決策を発表している。日韓首脳会談で岸田首相は、この解決策を評価し、冷え込んだ日韓関係の正常化を確認した。
今後、日韓関係が「良くなる」は、「相当」(2.1%)と「ある程度」(52.4%)をあわせて、54.5%。「良くならない」は、「あまり」(34.7%)と「まったく」(8.8%)をあわせて、43.5%だった。
5月のG7広島サミット(主要7か国首脳会議)で議長をつとめる岸田首相は、ロシアの侵攻が続くウクライナへの訪問を検討している。これについて「訪問した方がよい」が53.3%、「訪問しない方がよい」が39.9%だった。
岸田首相は19日、ウクライナ訪問について、「まだ何も具体的に決まったものはない。引き続き検討を続ける」と述べた。G7首脳でウクライナを訪れていないのは岸田首相だけということもあり、今後の岸田首相の判断が注目される。
(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)