夏の甲子園でベスト4に進んだ岐阜の県岐商。活躍を続ける横山温大選手は、生まれつき左手の指がありません。ハンディを乗り越えた陰には、使い続けてきた右手のグラブと、腕を鍛え上げる努力がありました。

■使い続けた右手のグラブ
横山選手は、右手につけたグラブでボールをキャッチしたあと、素早くグラブを外して左脇に抱えることで「握り替え」をして、右手でボールを投げています。

右手のグラブは、実は中学2年生くらいの頃から使い続けています。同じグラブを使うワケとは…。

横山温大選手:
「このグローブで握り替えとか今までやってきたので、使い慣れたグローブでやりたいなと思って、大事にこのグローブをずっと使っています。0.何秒でも早くしようと思って、(グローブを)抜きやすいようにちょっと浅く持って、癖づけられるまで握り替えを練習しました」
■鍛え上げた“生命線”の右手
大切なグローブと共に何度も何度も練習し、努力をしてきた横山選手、守備だけではありません。打撃の生命線は“右手”です。
横山選手:
「右手が大事だと分かっているので、なるべく右手はケガをしないようにトレーニングとかで鍛えて強くして」
右手にできた豆は、中学の頃よりもさらに大きくなっていました。

横山選手は横浜高校との試合で、先制点につながる一打を放っていて、甲子園全試合でヒットを打つ活躍を見せています。
県岐商は8月21日、準決勝で日大三高と対戦します。
横山選手:
「日大三高さんもとてもレベルが高くてバランスのとれた良いチームなので、自分たちの野球をしっかりして、絶対負けないぞという気持ちで挑んでいきたいです。全国制覇というのは絶対とりたいですし、2009年もベスト4で終わっているので、その歴史を塗り替えたいなと思います」