3月22日から開幕する世界フィギュアスケート選手権。今年はさいたまスーパーアリーナで行われる。

その大会に熱視線を送る乃木坂46・川﨑桜は、フィギュアスケート歴10年。毎年この大会をテレビで欠かさず観戦しているという生粋の経験者だ。

そんな川﨑ならではのフィギュアスケートの見方や、日本代表の友野一希と行ったロケ、世界選手権の見どころを聞いた。

「アクセルの壁は高い、超えるのに時間がかかった」

乃木坂46の5期生として昨年加入した川﨑は、自身も10年間フィギュアスケートに打ち込んできた経験者だ。

当時憧れていた選手に浅田真央さんの名前を挙げ、「トリプルアクセルやしなやかな演技も好きなのですが、リンクで練習している真央さんを見たことがあって、とにかく笑顔がかわいかった。そして明るくてステキな方」と語る。

小学生から高校生まで10年、続けてきたフィギュアスケート
小学生から高校生まで10年、続けてきたフィギュアスケート
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川﨑自身もアクセルジャンプに挑戦し、ダブルアクセルまで跳べたと振り返る。

「ダブルアクセルは2回転半跳ぶジャンプですが、めちゃくちゃ難しいです。“ダブルアクセルの壁”って高くて、それを超えるのに時間がかかりました。

2回転ジャンプと、2回半って全然違って。アクセルは前向きで踏み込むジャンプでもあるので、前から踏み込むのって怖いんです。失敗すると足を振り回しちゃうこともあって、軸がなくなるのがアクセルの怖いところで…」

難度の高いジャンプなど、フィギュアスケートに真正面から向き合ってきただけに、選手それぞれの演技を見る際も、自身の経験と重ね合わせることがあるという。

観戦する際はつなぎやジャンプに注目してしまうという川﨑
観戦する際はつなぎやジャンプに注目してしまうという川﨑

 「私はプログラムの中でスピンやジャンプをすると、流れが途切れてしまったんです。トップの選手は全く途切れることなく、少しの隙間でさえも何かを表現する。なので、技と技のつなぎやジャンプに行くまでのスピードをつい見てしまいます」

選手の演技に加えて、選手それぞれのバックグラウンドを知ることも大事にしているという川﨑。

今回、世界選手権に出場する友野一希を取材する機会もあった。

友野とリンクへ「すごく滑れています!」

友野は2022年12月の全日本選手権で初の表彰台にのぼり、世界選手権の代表に選ばれた。

過去2度の出場はいずれも繰り上げ選出だったが、今回は満を持して「代打」ではなく自力で切符を手にした。

友野一希とスケートリンクを滑った川﨑
友野一希とスケートリンクを滑った川﨑

川﨑が世界選手権での演技の見どころを聞くと、「思わずみんなが一緒に応援したくなるような表現を目指しているので、そういった表現力、そして最近はジャンプでも加点をもらえるようになったので、技術面もたくさん見ていただければ。総合力で勝負したい」と友野。

川﨑も「観客のみなさんの心をつかむような、ワクワク感がすごく好きで、曲が最後にアップテンポになるじゃないですか。友野選手のステップもスピードもそれにつれて一緒に速くなるのがすごく好きなので、今回もそこを楽しみにしています」と期待を寄せた。

慣れた手つきでスケート靴をはく川﨑
慣れた手つきでスケート靴をはく川﨑

この貴重な機会に、友野と一緒にリンクを滑った川﨑。3年ぶりに氷上に立ったという川﨑の滑りに、友野は「足元がしっかりしていて、すごく滑れています!」と絶賛した。

友野が出演したアイスショーに、川﨑がキッズスケーターとして出演したこともあるという。

それでも乃木坂加入後、現役スケーターと対面したことは初めてだったため、「すごく緊張した」と笑うが、それでも「話しやすくて、とてもフレンドリーでした。友野選手の人柄の良さが、スケートに現れているのだと実感しました」と振り返った。

フィギュア経験あればこそのアイドル活動

今回川﨑は、世界選手権のスペシャルサポーターへの就任が決まった。「いつかフィギュアスケートの仕事がしたい」という夢が実現した。

大会初日の3月22日(水)にはオープニングセレモニーのスケーターとしても登場。

本人も「思い入れのある曲」だという、乃木坂46の『シンクロニシティ』の楽曲にのせて、一緒に演技をするのは、川﨑が尊敬する田中刑事と宮原知子だ。

オープニングセレモニーに向けて練習に励む川﨑
オープニングセレモニーに向けて練習に励む川﨑

アイスショーなどで見ていた田中や宮原と演じることに「うれしさと恐怖」が入り交じる感情だと言うが、川﨑は今まさに、本番まで練習を重ねているようだ。

そんな川﨑のフィギュアスケートの経験は、アイドル活動にも活きているようで「練習もとても大変で、努力を重ねることの大切さを教えてもらいました。私はダンス経験がなかったんですけど、しなやかな動きが多い、乃木坂のダンスにもつながっていると感じます。

人前で話すことは苦手なのですが、パフォーマンスしているときは堂々としていられて、『人が変わるよね』と言われるくらいなので、それはフィギュアの経験があったからこそだと思っています」と話した。

世界選手権の見どころを教えてくれた
世界選手権の見どころを教えてくれた

最後に世界選手権への見どころを聞くと、「坂本(花織)選手は高難度のジャンプがなくても加点で勝負しているところ、三原(舞依)選手が6年ぶりに帰ってくるのは尋常じゃない努力を重ねてきたからこそだと思っています。

渡辺(倫果)選手は、トリプルアクセルが跳べるのはとてもすごくて、演技として流れるようなスピードのあるジャンプも見どころ」と各選手の注目ポイントを挙げ、「全員をめちゃめちゃ応援しています!」とエールを送った。

3月22日から開幕の世界選手権。女子は坂本花織、三原舞依、渡辺倫果、男子は宇野昌磨、山本草太、友野一希、ペアは三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは村元哉中・高橋大輔組が出場する。

世界フィギュアスケート選手権2023
3月22日(水)から4夜連続で生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/world/index.html

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班