「欧州チャンピオンズリーグ(欧州CL)」に参戦するために2月にドイツに出発した張本智和(19)に密着した。
ドイツ武者修行は「欧州の選手と切磋琢磨」
パリ五輪卓球のメダル候補、世界ランキング4位の張本。2月26日現在、パリ五輪代表選考ポイントは、2位の篠塚大登「158」を大きく突き放す「234」で、日本ではまさに”敵なし”となっている。
この記事の画像(24枚)2月11日、数時間前まで沖縄でTリーグに出場していた張本がその足で向かった先は…ドイツ。東京五輪の男子団体では日本の銅メダルを上回る金メダルを獲得するなどは欧州No.1の卓球大国だ。
――(沖縄~東京~ドイツと)移動から移動で大変では?
1日中移動してますね。慣れました。
欧州最強のクラブを決定する「欧州CL」に参戦するためドイツに。
今回が2度目のドイツ武者修行となる。
そんな張本選手が所属するのは2019年設立のチーム「ノイ・ウルム」。
世界ランキング6位・スウェーデンのモーレゴード(21)など世界のトップランカーたちに加え、東京五輪でシングルス(銅)と団体(銀)、2つのメダルを獲得したドイツのオフチャロフ(34)などが集うチーム。欧州では“銀河系軍団”と言われている強豪だ。
――ドイツに来た最大の理由は?
チームメイトが強い選手。オフチャロフ選手とか世界ランキングがひと桁の選手ばかりなので刺激になります。
実は張本は東京五輪の男子シングルスでスロベニアの選手に敗戦。欧州の選手を前に4回戦で敗退した苦い経験がある。
――張本選手から見たヨーロッパの卓球とは?
すごくパワーのある選手が多くて、ボールのコースや回転が不規則で読みづらいなというのは結構あります。
欧州の卓球の特長は「パワー」と「コースや回転の不規則さ」。
東京五輪男子団体の平均身長を比較すると、ドイツ代表(約186cm)は日本代表(約169cm)より17cmも高く、体格を生かした「パワー」。さらに、特有のコースや回転の不規則さを持つ欧州の選手は張本にとっても厄介な存在なのだ。
「ヨーロッパの選手のボールの質にも慣れていけますし、そういったヨーロッパの選手たちの練習内容や考え方を学んで、オリンピックでメダルを取るとなれば強力なライバルなので、切磋琢磨して強くなっていけたらいい」
リラックス方法はドイツ名物スパゲティアイス
日々卓球漬けの張本だが、リラックスする時に訪れるというお店を紹介してくれた。ドイツ名物・スパゲティアイスが味わえる店だ。
――食リポをお願いします。
(見た目)スパゲティぽくて味はちゃんとアイスとストロベリーがうまく絡んで…
おいしいです。
以前の食リポでは代名詞の「チョレイ!」が飛び出たこともあったが、今回はまさかのノーチョレイだった。
欧州CL準決勝でスウェーデン代表と対戦
この日の試合は欧州CL準決勝。張本の所属するノイ・ウルムは過去12度の優勝を誇るデュッセルドルフと対戦した。
そんな中、観客席で張本のことを知っているという少年に出会う。
「張本はとても強くて、とても声が大きい。『チョレイ!』は僕も試合の時に、よく言ってるんだ!『チョレイ!』」
激推しファンが見守る中、張本が登場。相手は東京五輪にもスウェーデン代表で出場したアントン・シェルベリ(25)。
「MOTO!MOTO!」という張本を応援するかけ声が響く中、試合開始。
欧州選手の厳しいコース攻めに対応し、序盤から武者修行の成果をみせる。フルゲームの接戦になっても粘りをみせ、欧州選手の特長に挙げていた「不規則な回転」のドライブも返してみせた。試合の結果は2対3。フルゲームの末に敗れたものの、張本は確かな手ごたえを感じていた。
――試合を振り返ってどうですか?
押されている展開でも、あそこまでいけたのは良かった。しっかり最後、勝ち切るところを反省して、そこを生かしていきたい」
「ノイ・ウルム」の決勝進出はならなかったが、それでも地元ファンからバレンタインデーのプレゼントをもらっていた張本。
今回は“ちょっぴりビター”な結果とはなったが、張本にとって収穫のあるドイツ遠征となった。
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3月4日(土)24時35分から
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