子どもにGPSを持たせて安全を確認する親が増えている。その“見守り”を、小学校と警備会社が地域の人と協力して行う取り組みがある。登下校中の児童の位置情報を把握する新たな実証実験が広島市内で始まった。

登下校中の通過時刻を保護者に通知

2月24日、広島市佐伯区で登校する児童たち。通学路の横断歩道などには「横断中」という黄色い旗を手にしたボランティアが立ち、子どもたちの交通安全を見守っている。

この記事の画像(11枚)

その地域のボランティアの人々は、子どもの位置情報を把握する上でも欠かせない存在になりそうだ。広島市佐伯区の美鈴が丘小学校で2月から始まったのが地域の人と取り組む「見守りシステム」である。

五十川記者:
これまでも似たような位置情報のサービスはありましたが、何が違うかと言いますと、ボランティアの方の前を通過するとスマートフォンの地図上で自分が通った位置にピンが立ち、情報が表示されるんです

ボランティアの前を通過する五十川裕明記者
ボランティアの前を通過する五十川裕明記者

その名も「みまもりタグ」。

子どもたちが微弱の電波を発信する“小型のタグ”を持ち歩き、受信器のある場所や専用のスマートフォンアプリを持った人とすれ違うと、その都度、保護者に通知される仕組みだ。

小学1年生と3年生の保護者:
通った時間が、分単位で通知されます

小学2年生の保護者:
過去に一度、通学中、ハチにさされたかもしれないということもあったので、無事に学校に着いて先生の元にいるとわかれば安心です

協力者60人で“地域一丸”の見守り

登校の見守りボランティア・池田信行さん:
子どもたちが今ここを通ったよという情報を、親御さんがキャッチできたら安心されるじゃないですか

この取り組みに、地域の約60人が協力している。まさにICT(通信情報技術)を使った地域一丸の見守り。システムを開発した警備会社は「低学年で携帯電話を持たせるのはまだ早い」とためらっていた保護者のニーズも見込んでいる。

広島綜合警備保障 機械警備事業部・河口弘二 技術部長:
ガードボランティアさんのご協力のおかげで、通学路をちゃんと通っているという情報もしっかりつかめます。今回の実証実験で、子どもの見守りとして実際に活用ができるかなと考えています

広島県警によると、2022年1年間に不審な人物が子どもに声をかけるなどの事案は、県内で少なくとも1012件確認されている。そのうちの約6割が“路上”で起きていた。

広島綜合警備保障 機械警備事業部・河口弘二 技術部長:
連れ去りや誘拐などは生命に関わる事件が多い。ALSOKとしてはそれを未然に防ぐサービスを提供できればと考えています

「防犯ブザー」とともに「みまもりタグ」を持ち歩き、地域で子どもたちの安全を守る取り組みが広がっていくかもしれない。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。