全国で相次ぐ強盗事件の指示役“ルフィ”とみられる男の身柄引き渡しが急展開。早ければ、1月末の週中に帰国する可能性があることが分かった。

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男は特殊詐欺で摘発された当時は「ハオ」と呼ばれていたことが新たに分かった。

文武両道だった人物が連続強盗グループのリーダーへ

凛々しい表情で高校の卒業アルバムに収まる人物の名前は「渡邉優樹」。全国で相次ぐ強盗事件の指示役「ルフィ」とみられる男だ。

高校時代同じ剣道部に所属していた同級生:
剣道部の主将をやっていた。確か推薦で(大学に)が行っています。ものすごく向上心しかない感じ。

文武両道で向上心にあふれていた渡邉容疑者が、なぜ連続強盗グループのリーダー格とみられる存在になったのか?

渡邉容疑者を含む日本人のグループが、今週中または来週中にも収容先のフィリピン・マニラから日本に強制送還される可能性があることが分かった。

警視庁が逮捕状を取り、フィリピン当局に身柄の引き渡しを求めているのは、渡邉優樹容疑者(38)と今村磨人容疑者(38)。そして、小島智信容疑者(45)と藤田聖也容疑者(38)の4人。いずれも入管施設に収容中で、日本で相次ぐ強盗事件への関与が疑われている。

フィリピン収容所に変化 事件を受け検査が実施

施設内での4人について、同じ施設に収容された経験を持つ韓国の作家キム・ユンニョン氏はこう話す。

韓国で活躍する作家 キム・ユンニョン氏
(この収容所に)日本で容疑者扱いされている4人がいます。彼らはお金をたくさん持っていて、夜に集まってカードゲームに参加し大金を賭けていたと聞いた。

ビクタン収容所(フィリピン・マニラ)内の様子を写した画像には、ビリヤードを楽しむ人たちやテーブルを囲んで笑顔を見せる人たちの姿があった。

現在も収容所内にいる人とSNSでつながっているキム氏。内部からの情報によると、日本での事件を受け、収容所に変化があったという。

韓国で活躍する作家 キム・ユンニョン氏
日本の事件を受けて27日に、日本人収容者が捜索を受けた。携帯の使用が禁止されている。先ほどの情報だが、昼休み前に収容所全体に対する検査があったようだ。

渡邉容疑者らは収容所の中から、組織的な強盗や窃盗を実行犯に遠隔で指示していたとみられる。

2019年摘発から逃れ…当時のかけ子にFNNが取材

関わったとみられる事件はまだある。

2019年にフィリピンを拠点とした特殊詐欺グループが摘発され、36人が身柄を拘束された事件。警視庁は渡邉容疑者ら4人がこのグループの主要メンバーとみて逮捕状を取っている。

FNNは当時、このグループで被害者に詐欺の電話をかけるいわゆる“かけ子役”だったという元メンバーを取材した。

(Q:どんな経緯で?)
渡邉容疑者の特殊詐欺グループで“かけ子”役だった男性:
ツイッターの求人ですね。募集には月100万円は当たり前みたいに書いてたんですが、実際にもらったのは15万円とか、それくらいでしたね。

当時70~80人のグループを束ねるリーダーだったとして、名前を挙げたのが渡邉容疑者だった。

渡邉容疑者の特殊詐欺グループで“かけ子”役だった男性:
「ハオ」
っていう名前でみんなを呼んでまして、偽名を使ってたんですね。

別の偽名「ハオ」 強制送還の可能性

当時は「ルフィ」という呼び名ではなく、「ハオ」と呼ばれていたという渡邉容疑者。
どのようなリーダーぶりだったのか?

(Q:どういう人間?)
渡邉容疑者の特殊詐欺グループで“かけ子”役だった男性:
みんなの前で演説というか、頑張ってたら出世もできるし稼げるようになるからみたいなことを言っていました。

2019年の時の摘発では逮捕を逃れた4人。このグループは2019年までに、全国で約2300人から合わせて約35億円をだまし取ったとみられ、日本国内でこれまでに受け子ら50人以上が逮捕されている。

警視庁が求める渡邉容疑者ら4人の身柄引き渡しを巡り、フィリピンのレムリア法相は1月31日、マニラの日本大使館と協議することを明らかにした。

また、現地当局の関係者は、同じく移送を求められている今村容疑者とともに、早ければ「今週または来週にも強制送還される可能性がある」と話していて、両国間での調整が続いている。

(「イット!」1月30日放送分より)