日本社会を揺るがす連続強盗事件の指示役とされる「ルフィ」
実行役への指示は、フィリピン・マニラ郊外の収容所から出されていた疑いが強まっている。

さらに、フィリピン当局は「ルフィ」は複数おり、そのリーダーが「ワタナベ・ユウキ」という人物だと明らかにした。

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「ルフィ」を名乗る人物が滞在しているとされる、マニラ郊外の収容所。
ニノイ・アキノ国際空港からもほど近いこの場所は、フィリピン入国管理局所有の収容所だ。

FNNの取材班が訪れると、収容者向けの食材なのか、米や野菜が届いていた。

頻繁に開かれる入り口のドア。
すると…

記者:
あの人「すみません」って言ってたけど、ジャパニーズだね。


建物付近からは、日本人がいる気配が伝わってくる。
この中にいる何人かが「ルフィ」を名乗って犯行を指示していたのだろうか。

実行役「本名聞いているが答えられない」

一連の強盗事件をめぐり、警察庁は27日、異例の緊急捜査会議を開き、事件に関連する各都府県の捜査幹部が集められた。

警視庁・渡辺国佳刑事局長:
国民の不安も高まっております。警察捜査の真価が問われている。


警察庁によると、一連の強盗グループによるものとみられる事件は、東京・神奈川・広島など8都県。
さらにこのグループによる可能性のある事件も、大阪・京都・福岡など6府県に広がっている。

そのうち、東京稲城市の強盗致傷など、複数の事件に指示役の「ルフィ」が関わっていたとみられている。

FNNは27日、一連の強盗事件に実行役として加わり、逮捕された20代の男に拘置所で話を聞いた。


記者:
あなたが関わった事件に「ルフィ」は関わっていますか?

実行役:
関わっている。

記者:
指示は場所だけ送られる?

実行役:
場所だけ送られてくるわけではない。

記者:
直接会ったことは?

実行役:
答えられません。

記者:

本名は知っていますか?

実行役:
聞いているけど、答えられない。

「ルフィ」の身元についての話になると口を閉ざした実行役の男。

また、別の事件で逮捕された実行役の一人は警視庁の調べに対し「ルフィに粛清されるかもしれない」と指示役に関する供述を拒んだという。

特殊詐欺の“残党”が遠隔指示か

こうした中、フィリピンに複数いるとみられることが分かった「ルフィ」を名乗る指示役。
なぜフィリピンなのだろうか。

2020年、フィリピンで日本人の特殊詐欺グループが摘発された際の映像。

フィリピンではこれまでいくつかの日本人特殊詐欺グループが摘発されており、捜査関係者によると、こうした特殊詐欺事件の“残党”がフィリピンの収容所にいて、秘匿性の高いSNSアプリを使い、強盗を遠隔指示している可能性があるという。

日本の警察当局は特殊詐欺ですでに逮捕状を取っている、少なくとも男4人の強制送還を要請している。

(「イット!」1月27日放送)