ニット帽をかぶり、幼い子どもの横でほほえむのは、1月16日、福岡市のJR博多駅近くの路上で刺されて死亡した、福岡・那珂川市の会社員、川野美樹さん(38)。

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事件直前、男と一緒に歩く姿を目撃されていた川野さん。事件前には交際相手とのトラブルを訴えていた。

“馬乗り”で刃物を振り下ろす男

JR博多駅から直線距離で200メートルほどの場所。多くの人が行き交う市の中心部で事件が起きたのは、16日午後6時15分ごろのことだった。

110番通報を受けた警察官が、現場であおむけに倒れていた川野さんを発見。川野さんは刃物で頭や胸など複数箇所を刺されていて、搬送先の病院で間もなく死亡が確認された。

現場を通り掛かった男性は、馬乗りの状態で刃物を振り下ろす男の姿を目撃していた。

目撃者:
悲鳴がして、何度かあったので振り向いたら、男が乗りかかるようにして何かを振り下ろしているというか。そんな状態だったというような感じです。

――いわゆる馬乗りのような?
目撃者:
そうですね。10回ぐらいやっていたようには。男の方は全く無言だったので。

――その後はどうなった?
目撃者:
立ち去っていったような感じですね。

――周りを気にする感じはあった?
目撃者:
いや、もう全然。普通にスタスタと。

犯行後、刃物を手に慌てる様子もなく、歩いて逃げたという男。事件直前には、川野さんが男と一緒に歩く姿が目撃されていて、男は知人とみられている。

娘と実家に戻り、昼夜働く

知人によると、川野さんは10代の頃、沖縄のタレント養成学校に通っていたという。

川野さんの知人:
もう本当に友達思いでムードメーカーなので。彼女がいれば本当に場がすごく明るくなって…。
私も本当に(事件について)先ほど知ったので、お子さんのことが大丈夫かなっていう。

離婚をした後、実家に戻り、両親や娘と一緒に暮らしていたという川野さん。勤務先では事務の仕事をしていたという。

――川野さんの今の仕事は?
川野さんの親戚:
事務系の仕事ですよ。博多駅のね。前はアルバイトで、たまに中洲にね。

親戚などによると、昼間は派遣で事務系の仕事をして、夜は時折、飲食店で働いていたという。

“元彼”によるストーカー被害で警察に複数回相談

その一方で、頭を悩ませていたのが男女間のトラブルだ。

川野さんの親戚によると、川野さんは最近、交際相手と別れていたが、ストーカー被害があり、「交際相手に別れを告げたのに、何回も電話がかかってきて、職場で待ち伏せされている」と警察に複数回相談をしていたという。

川野さんの親戚:
ストーカーの話を3回くらい警察に相談してた。(去年)11月、最近のこと。

――相手は?
川野さんの親戚:
1年ちょっとくらい付き合ったんじゃないかな。

川野さんは、“元彼”によるストーカー被害を警察に繰り返し相談していたという。

――最後に会ったのは?
川野さんの親戚:
(今月)14日の土曜日に店に来た。娘が絵画教室に毎週行っているので。

――事件の一報を聞いて
川野さんの親戚:
まさかと思った。はらわた煮えくりかえっている。本当、孫みたいにかわいがっていたからね…。

警察は自宅周辺をパトロール

関係者によると、川野さんは同じ系列の飲食店で働いていた従業員と交際していたが、破局後、相手は店を解雇されたという。

その後、恨みを持った相手につきまとわれるなどしたことから警察に相談。警察はストーカー行為の「禁止命令書」を交付し、自宅周辺をパトロールしていたという。

そうした中で起きてしまった事件。トラブルになった男とは現在連絡が取れなくなっていて、警察は男が何らかの事情を知っているとみて調べている。

(「イット!」1月17日放送より)