かんきつ王国・愛媛のミカン産地のひとつとして知られる西予市明浜町。この明浜にUターンしてきた、4人の子どもの母親でもある地域おこし協力隊がいる。ふるさとが大好きという人たちを取材した。

「明浜のミカンを残したい」家族そろってふるさとへ

太陽をたっぷり浴びて育つ明浜の早生温州ミカン。地域おこし協力隊の大谷りえさんの実家の畑だ。

この記事の画像(20枚)

20歳で大阪に出た大谷さんは、2021年、協力隊として18年ぶりに夫と4人の子どもと家族そろって、ふるさとにUターンした。

大谷りえさん
大谷りえさん

大谷りえさん:
西日本豪雨をきっかけに母が(ミカン畑を)続けるのをどうしようかなって。“じいちゃん、ばあちゃんが頑張ってきた山は守りたい”けど、“私だけの力では守れない”。その状況を見た旦那さんが、なんと「俺、継ごうか」という名ぜりふを言っていただきまして

夫の一平さんは大阪生まれの大阪育ち、農業とは無縁の生活だった。

名護谷希慧アナウンサー:
ちょうど収穫ですか?

夫・一平さん:
そうなんですよ。忙しい時期に入りました。ミカンのお仕事はとても好きです。自然に囲まれて、ちょっと一息つきゃ、海が見えて、山が見えて。私にとってはとても最高です

りえさんの夫・一平さん
りえさんの夫・一平さん

名護谷希慧アナウンサー:
来てよかった?

夫・一平さん:
もう圧倒的に

大谷りえさん:
良かった

一平さんがミカンをひとつ取ってくれた。

夫・一平さん:
軸が細いのがおいしかったりします

名護谷希慧アナウンサー:
鮮やかな、きれいな色ですね

夫・一平さん:
色付きもね。とってもいいです

早速いただいてみると…。

名護谷希慧アナウンサー:
おいしい!味濃い

りえさん・一平さん:
濃いんです!

夫・一平さん:
僕もこのミカンを食べて、すごく感動したので、こんなミカンを食べたことなかったので、このミカンを食べて、これは残したいなっていう思いもすごくありました。全然違います。自分でむいて食べますもん

名護谷希慧アナウンサー:
普通は自分でむきますよね?

大谷りえさん:
むかないんですよ。私がむいてあげてたんですよ

夫・一平さん:
大阪時代はね。このミカンに出会ってからは、手が黄色くなるまでむきます

大谷りえさん:
大好きです。大好きなんですよ

夫・一平さん:
まあ私もね、彼女にはとっても感謝していて。こういう生活、人生を送らせてもらってるのはとってもありがたいこと

名護谷希慧アナウンサー:
みんなが幸せ

夫・一平さん:
ま、テレビ用ですけどね

大谷りえさん:
なんでやねん!

1対1の地元密着型 明浜町唯一のパン屋

大谷さんが、明浜のこんなスポットを案内してくれた。

大谷りえさん:
明浜町唯一のパン屋さんなんですけど

名護谷希慧アナウンサー:
「Bakery CoCo」、ちょっとレトロな雰囲気ですね

大谷りえさん:
実は同級生のお父さんで

Bakery CoCo・佐藤文明さん:
息子が同級、りえちゃんと同級。なので、自分の娘みたい

名護谷希慧アナウンサー:
小さい時からご存じで

Bakery CoCo・佐藤文明さん:
(大谷さんは)昔からちょっとスペシャルな、かわいいガールやったです

かつて松山のデパートで働いていた佐藤さんは、31歳で脱サラしてパン屋さんに転身。15種類ほどの素朴で優しいパンが並ぶBakery CoCoは、2022年で35年目を迎えた。

名護谷希慧アナウンサー:
人気上昇中のパンがあるそうで

Bakery CoCo・佐藤文明さん:
そうです。人気上昇してます、ずっと。「カカオ入りメロンパン」です。明浜のミカン畑で2~3年研修したベトナムの研修生が、ベトナムに帰って農園を立ち上げています。その農園で作ったカカオを使っています。少しでも彼らの応援ができるかなということで

名護谷アナウンサーが、早速いただいた。

Bakery CoCo・佐藤文明さん:
ちょっと大人の苦みが出るでしょ

名護谷希慧アナウンサー:
ほんのり苦みがあって、パン自体は甘さがあるので相性がいいですね。カカオもしっかり食感もありますね

Bakery CoCo・佐藤文明さん:
お客さんの顔も好みも知っとるんで、きょう何曜日はこういうお客さんがおるんでこういうのを中心にするとか、日々そういう感じでメニュー作ってますので、1対1の地元密着型です

地域を愛する佐藤さん、多様な自然を楽しめる「四国西予ジオパーク」のひとつ、地元「狩浜の段々畑」のガイドも立ち上げた。

Bakery CoCo・佐藤文明さん:
段々畑ってこんなに奥が深いのか、こういう段々畑で栽培されてるからこそ、おいしいミカンができるんだなって。地形とか地質とか、それから始まったここの独特な文化とか祭り、生活に全部に密着しとるんです。そういうこともパン屋をしなかったら経験できなかったし、サラリーマンで終わってしまったかもしれんので、パン屋をやって良かったと思います

時短・健康…麹漬け商品も開発

大谷さんは、こんなことにも挑戦している。

大谷りえさん:
しょうゆ麹と塩麹になっております。ただのしょうゆがプラスアルファうまみ爆発です

健康食材として最近、人気が高まっている麹。
腸内環境を整えて調理の時短もできる麹にハマッた大谷さんは、こんな商品を開発した。

大谷りえさん:
漁師さんが海で釣ってくる天然ダイとサワラです。麹漬けにすることで身も柔らかくなりますし、調味料なので味が付くじゃないですか。人間は焼くだけです

手作りの麹調味料に漬け込んだのは地元・明浜で捕れた旬の魚。麹が素材のうま味を、ぐっと引き出してくれる。

また、カボチャの煮物も砂糖は使わず、甘麹としょうゆ麹で味付け。
おみそ汁には黒大豆の麹みそを使って、その名も「腸活ごはん」のできあがりだ。

名護谷希慧アナウンサー:
お魚自体のうまみがすごく濃いですね

大谷りえさん:
そうなんですよ、それが麹の力で。おかあさんを救いたいので、忙しいおかあさんのために。麹も好きなんですけど、明浜町が大好きすぎるんです。明浜町に恩返しがしたいので、このまちの広告塔になって、ここでいろんなおもしろい人が移住したいなとか、ここに住みたいなって人が来る人、そういう存在になりたいです。「おもしろいやつ」来い!と思ってます

(テレビ愛媛)