日本人の5人に1人がかかっているとされる現代病の1つ「ドライアイ」。その名の通り目が乾燥する症状で、空気が乾燥する秋から冬にかけて患者が増える。目が乾燥するだけと侮ると、思いもよらぬ感染症へと発展する恐れがある。

角膜感染症になる恐れも…

ドライアイの患者について「国内ではだいたい2200万人以上いると言われている」と注意を促すのは、福井市の「まつむら眼科クリニック」松村孝司院長だ。

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松村孝司医師:
ドライアイには大きく分けて2通りある。一つは涙の分泌自体が減るタイプ。もう一つは、涙は出るが蒸発してしまうタイプ

涙自体が減少する「涙液減少型」は、加齢に伴い涙を分泌する涙腺の機能が低下することで起きる。一方、「蒸発亢進型」は涙が蒸発する症状で、現代の生活習慣が影響していると指摘する。

松村孝司医師:
基本、涙というのはまばたきをしてその刺激によって涙腺から分泌される。今の世の中パソコン、スマホなどの機器をずっと見ている時間が長い。しかも集中しているのでまばたきをしない

松村医師によると、まばたきは通常3秒に1回ほど。これが読書中では6秒に1回、さらにパソコンの操作時は10数秒に1回まで減少するという。

「涙が供給されなければどんどん蒸発していくだけ。そのタイプのドライアイが多い感じがする」と話している。

特に注意が必要なのは子供のドライアイだ。子供は症状を訴えることができないため、「まばたきが多い」、「目をこすっている」、「まぶしがる」といったドライアイのサインに、親が気を付けなければならない。

さらにドライアイには思いもよらない危険が潜んでいる。

松村孝司医師:
一般的には感染症を起こしやすくなる。角膜、黒目の細胞は感染に弱いので脱落してしまうと傷がつきやすくなる。そうするとさらにそこにばい菌がつきやすくなり、角膜感染症になることがある

辛いのは身体的な違和感だけではない。それが精神的な苦痛にもつながるという。

松村孝司医師:
ドライアイの症状が強い人は目を開けていられない。朝から憂鬱、日中仕事をしていても肩が凝るなどの症状があり、仕事の効率は下がる。また、よく眠れないという症状を訴える人もいる。それが毎日続くと精神的にもダメージを受ける

また、コロナ禍のマスク生活がドライアイに拍車をかけている危険性を指摘する。

松村孝司医師:
マスクをすると吐いた息は絶対上に上がる。そうすると自分の吐いた息で自分の目を乾燥させている。しっかり鼻にマスクを当て、あまり目に行かないようにしないとドライアイになる

運動もドライアイの対策になる

対策は目薬の点眼。そしてしっかりとしたまばたきを意識することが大切になる。

松村孝司医師:
まばたきしたつもりでもギュッと下までつむっていない。不完全なまばたきをしていることも多くて、まばたきの量を増やしてしっかりと目をぎゅっとつむることが大事

涙の分泌を促すため、ホットアイマスクなどで目を温めることも有効だ。また一見関係なさそうにもみえるが、運動も重要となる。

松村孝司医師:
運動している人は涙の分泌が良い。目が疲れた時、座っているよりはできれば少しその辺を歩くなど、運動を交えた休め方をしてもらうと目にとっても良い

(福井テレビ)

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