花粉症というと春を連想するが、実は秋に発症や重症化することがある。くしゃみや鼻水以外に、咳(せき)の症状が出ることもある。その理由は花粉の違いにあった。特に「公園や空き地は要注意」と専門の医師は呼び掛けている。

ぜんそくの誘発になることも…

福井大学病院でアレルギー性鼻炎などを専門に診察する坂下雅文医師は、秋の花粉症が増える時期を次のように説明する。

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坂下雅文医師:
毎年、稲刈りシーズンごろに患者が増える傾向にある。秋の花粉としてブタクサ、ヨモギといったキク科の植物の花粉が飛んでくる

国内では60種類以上の花粉症が報告されている。8月から10月に飛散する代表的な花粉には、キク科に属するブタクサやヨモギなど生存期間が短い草本植物がある。

スギやヒノキなどの樹木の花粉は飛距離が数百kmに対して、草本植物の花粉は数km程度と限定的だ。ただ、公園や空き地など身近なところに生えるためうっかり近づいてしまう恐れがある。

坂下雅文医師:
秋の花粉症といってもアレルギー性鼻炎に変わりはない。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみは春の花粉と同じ。ただ、スギ花粉に比べて花粉の大きさが小さいので、肺まで入る人もいる。すると咳が出る。ちょうど季節が寒くなる時期と重なるので、花粉症がきっかけでぜんそくの誘発になることもある

秋の花粉症を予防するには?

秋に花粉症の症状が出る人は、注意が必要な食べ物がある。

ブタクサのアレルギーがある人はメロンやバナナ、ヨモギのアレルギーがある人はスパイス類を食べると、口の中がかゆくなったり腫れたりすることがある。

坂下雅文医師:
治療が難しく、症状が出て不快、嫌な人はこれらの食べ物を避けるといい

秋の花粉症の予防法は、春と同じ。花粉を吸うと症状が出るため、外出時にはマスク、メガネを着用する、外に洗濯物を干さないといった対策が効果的だ。

坂下雅文医師:
基本的には症状が出始めたら対策を重点的にすればいい。家でできる対策は鼻うがい。外で花粉を吸って鼻の中に花粉がついている。それを放っておくと症状が強くなる。外から帰ってきたら鼻うがいで花粉を洗い流す

治療のための薬も効果を発揮する。

坂下雅文医師:
最近は抗ヒスタミン薬というアレルギー性鼻炎で使われる薬がドラッグストアでも手に入る。抗ヒスタミン薬は眠気を催すことが知られているが、眠気の少ない第二世代の抗ヒスタミン薬は効きもよく、副作用も少ない

風邪と花粉症の見分け方

秋は気温も下がり風邪も流行り始める。風邪と花粉症の見分け方を聞いた。

坂下雅文医師:
風邪の場合は発熱、のどの痛み、黄色い鼻水などの症状が一般的。アレルギーの場合は水のような流れる鼻水が多い。外に行った後に症状が出れば花粉の可能性が高い

アレルギー症状は朝起きた時に突発的に悪化する「モーニングアタック」という症状がある。花粉を吸ってすぐ調子が悪くなるのが一般的だが、半日あけて第二波がやってくるという特徴がある。前日の夕方に調子が悪く、明け方にも調子が悪い人は花粉症が潜んでいる恐れがある。

(福井テレビ)

福井テレビ
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