上皇后・美智子さまが88歳の誕生日を迎えられました。この米寿の節目にあたり、宮内庁は記念のDVDを制作。そこには、美智子さまのこれまでの歩み、そして思いが込められていました。

上皇后さま米寿の誕生日 上皇さまと手をつなぎ散策

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上皇后・美智子さまが10月20日、88歳・米寿の誕生日を迎えられました。上皇さまとしっかり手をつなぎ、散策される美智子さま。時折、顔を寄せ合い、仲睦まじく会話を交わされています。

2022年4月、約2年間過ごした高輪の仙洞仮御所から赤坂の仙洞御所に移られました。美智子さまは、季節の移ろいを楽しみながら毎日散策を続け、小学校時代の国語の教科書を毎朝一緒に音読し、細やかに上皇さまを支えられています。お二人の暮らしについて、フジテレビ皇室担当の橋本寿史解説委員はーー

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
上皇ご夫妻は仲がよろしくて、いつも一緒にいる時間が長くていらっしゃる。朝起きられまして、まず赤坂御用地内を散策される。そして、朝食をとられた後には音読、本をご一緒に読む。午後になりますとまた散策をされるんですけど、午前中よりは距離を伸ばして散策されているようです。
 

宮内庁によると、8月には、ふくらはぎにできた血栓が「深部静脈血栓症・末梢型」と診断され、こまめに水分を摂取し、適度な運動を心がけられているということです。

コロナ禍で、ここ3年、誕生日の行事は行われてきませんでしたが、20日、天皇皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻などからお祝いの言葉を受けられます。

宮内庁はDVDを制作 美智子さまのこれまでの歩み

そして、宮内庁は上皇后さまのご成婚からこれまでの歩みをまとめたDVDを制作しました。

美智子さまがご成婚から約半世紀にわたり、陛下と共に訪問された国は、58カ国、延べ115カ国に及びます。美智子さまは、様々な人々がそれぞれの立場で友好を深めることにより、国同士の親しさが醸し出されると考え、自らの務めを果たしてこられました。その外遊先では、様々な場面が。

1993年、イタリアを訪問された美智子さま。突然の誘いを受け、得意のピアノ演奏を披露されました。

2009年にはカナダで、小児病院を訪問。難病と闘う子供たちのため、子守歌「ゆりかごのうた」を歌われました。全ての子供たちにお見舞いの気持ちを伝えるため、院内のテレビを通じて、全ての病室で放送されました。「ゆりかごのうた」は、美智子さまが自身の3人のお子さまにも歌われた曲だといいます。

民間から初めて皇室入りし、新たな風を吹き込まれた美智子さま。結婚の翌年、長男・浩宮さまが誕生。上皇さまと共に、乳母制度の取りやめを決断され、自分たちの元で子育てをされました。のちに次男・礼宮さま、長女・紀宮さまが誕生し、賑やかな家庭を築かれていきます。

2009年の結婚50周年の記者会見では、上皇さまは改めて自らの生い立ちに触れ、美智子さまの苦労をねぎらわれました。

上皇さま:
私ども二人は育った環境も違い、特に私は家庭生活をしてこなかったので、皇后の立場を十分に思いやることができず、加えて大勢の職員と共にする生活には戸惑うことも多かったと思います。結婚によって開かれた窓から私は多くのものを吸収し、今日の自分を作っていったことを感じます。結婚50年に当たって贈るとすれば感謝状です。
 

そして、美智子さまもーー

美智子さま:
私もやはり感謝状を、何かこれだけでは足りない気持ちがいたしますが、心をこめて感謝状をお贈り申し上げます。

美智子さまの胸には“絆”のブローチ

そんなお二人の絆は、20日に公開された、米寿の映像からも読み解くことが出来ます。

美智子さまの胸元につけられているブローチ。このブローチには、皇太子時代の上皇さまのある思いが込められていました。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
美智子さまにとってあのブローチというのは大変特別なものだろうというふうに私は感じます。やはり上皇さまとの深いつながり、絆というものの、まさに印のようなブローチになっているのではないかというふうに思います。
 

当時、皇太子だった上皇さまが、初の外国訪問中のスペインで買い求められた思い出の品だということです。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
この当時1953年ですので、まだ美智子さまとの出会う前の19歳の青年でいらした時代ですので、本当に将来の妃にこのブローチをという、上皇さまにとっても大変思いのこもったブローチだったわけです。

婚約発表の日、上皇さまはこのブローチを美智子さまに贈られました。美智子さまは40歳の誕生日や2021年の上皇さまの米寿の際など、節目節目で、このブローチを付けられています。

そんなお二人のお姿について橋本解説委員はーー

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
本当にお姿をいつ拝見していても仲が良くていらっしゃる。いつもどちらが支え、いつもどちらが支え、どちらが支えられているのか、分からないような形で手を取り合っていらっしゃるお姿というのは、本当にお二人のお姿なんですね。どれだけお二人の中で信頼関係と絆というのをお持ちなのかというのを深く感じさせてくださるお二人のお姿です。

(めざまし8 10月20日放送)