東京に本店を構えるチョコレート店が札幌市にオープンした。北海道初進出に合わせ、夕張市に製造工場を新設。人気のチョコレート店が財政再建中の街に拠点を移した訳を取材した。

目玉は"夕張メロン" 名店が北海道に

印象的な黒猫のパッケージ。中には、カラフルなボール状のチョコレート。その名も「カカオキャット」。

10月14日、札幌市・白石区にオープンしたこちらのお店。

この記事の画像(14枚)

北海道産ミルクを使うなど、素材と品質にこだわり抜いて作ったチョコレートの専門店。

東京・白金台に本店を構え、全国で5店舗を展開。北海道には初上陸だ。

客は:
カラフルで、猫のキャラクターが可愛い

客は:
可愛いのがいっぱいあってウキウキしちゃう

お店では自慢のチョコレートを使ったジェラートやケーキも食べられる。

滑らかな口どけを追及して作られたカカオキャットは、定番のミルクやホワイトから、ほうじ茶、パンプキンなどフレーバーは約30種類。量り売りで買うことができ、選ぶ楽しさもある。

今回の北海道進出で注目を集めているのが、初登場の"夕張メロン"。本物の夕張メロンを感じるほどの芳醇な香りが口いっぱいに広がる。

新工場は"野球場3つ分" 広い敷地で「世界進出」を

その人気のチョコレートを製造する新しい工場が、"夕張メロン"の地元、夕張市に開業した。

2021年3月に閉鎖した大手冷凍食品の工場を買い取ったのは、カカオキャットの商品開発などを手掛ける田島 慎也 社長。

ダダカ・田島慎也社長:
自然の中でチョコレートづくりがしたくて、非常に大きい工場で僕らで使いきれるかなという思いがあったが、(夕張市の)人口が減少している中で、雇用に貢献できるとビジネスでモチベーションに繋がるなと

夕張市が工場跡地の活用方法を模索していたところ、田島社長の「世界にチョコレートを」という思いに共感したという。

夕張市・厚谷司市長:
北海道はスイーツ王国ともいわれる土地ですから、そこにあえて工場を構えて、これから挑戦していくこと、夕張市としてしっかりサポート、応援していきたいと強く思った

工場の敷地面積は3万7000平方メートル。野球場3つ分の広さだ。当面は主力商品であるチョコレートを製造するという。

ダダカ・田島慎也社長:
チョコレートってストック場所が必要。夕張市は夏でも工場内が20度位なので、常温で保管ができるのも選んだポイント

広大な敷地と夕張市の気候が、チョコレートの製造に最適だという。

9割が"現地採用" 地元も期待「長く続けばいい」

また、コロナ禍で働き方が多様化したこともあり、8月に本社を東京から夕張市に移転。40人ほどの従業員のうち、9割を地元で採用。3年後には従業員100人を目指す。

主要産業だった炭鉱の閉山で、深刻な財政難となり、2007年に財政再建団体となった夕張市。人口も減少し、町の衰退が進む中での、新たな企業の進出に地元では雇用創出や地域振興に繋がると期待を寄せている。

夕張市民は:
単純にうれしい。夕張市は夕張メロンの栽培が終わると働く場所がない。メロンの作業が終わってからも働く所ができるというのは単純にありがたい

夕張市民は:
地元の人間は諦めつつも(新しい)業者の人来てほしいという気持ちがある。期待と長く続けばいいなと

特産品である夕張メロン味チョコレートのほか、地元に根付いた商品開発にも力を入れ、夕張市を拠点に規模を拡大していく考えだ。

(uhb北海道文化放送)

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。