秋の行楽シーズン。「全国旅行支援」が始まり人の移動が増えることが予想される中、愛媛県内の新型コロナウイルスの感染は減少傾向が続いている。感染状況が落ち着いている今、私たちは新型コロナにどう向き合えばよいのか、改めて考える。

“全数把握の見直し”で実際の感染状況は

鈴木瑠梨アナウンサー:
新型コロナが猛威を振るい始めてから、3年が経とうとしています。全数把握の見直しがされた今、気になることを専門家の方に聞いてきます

鈴木瑠梨アナウンサーが話を聞いた愛媛県立衛生環境研究所の四宮博人所長は、感染症対策のプロだ。

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鈴木瑠梨アナウンサー:
全数把握の見直しを受けて、愛媛県でも発表の方法が変わったと思うんですが、この発表方法の変更で感染の動向というのは読み取れるんでしょうか?

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
結論的には、感染の動向自体は、全数把握が見直されても陽性者の数は県全体としては把握できますので、毎日どれくらいの感染者が出ているのかという把握は、これまで通りできます

鈴木瑠梨アナウンサー:
では、愛媛県全体としては減少傾向になっていると言ってもいいのでしょうか?

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
見かけ上だけで減ってるんじゃないかという懸念を持たれる方もいらっしゃると思うんですが、その点は実際に減っているということで、県全体の陽性者の数字というのは把握できてますので、それは心配いらないと思います

ただ、全数把握の見直しにより、現在、医療機関が保健所へ届け出をして健康観察を受けるのは、65歳以上の高齢者など重症化リスクの高い人のみとなっている。

新規感染者の多くは該当しないため、もし感染しても、自分で健康状態を細かくチェックする必要がある。

行楽シーズンも感染対策を忘れずに

こうした中、秋の行楽シーズンを迎え、今後は人の移動が増えることが予想される。

鈴木瑠梨アナウンサー:
「全国旅行支援」が始まり、秋祭りも控えていますよね。そういった点で気を付けるべきポイントは?

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
陽性者数自体は減ってますけど、人の移動が活発になって、人との接触の機会がどんどん増えると、ウイルスが残存してますので、そこで感染が再拡大するということがあり得ます。その点はやはり慎重にというか、感染対策をおろそかにせず、秋祭りとかご旅行を楽しんでいただければというふうに思います

鈴木瑠梨アナウンサー:
オミクロン株対応ワクチンが幅広い世代で始まっていますが、この有効性や必要性はどうなんでしょうか?

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
オミクロン株に対する効果が1.7倍くらい高いので、2倍近く従来のワクチンに比べれば効果が高いということは期待できると思います

四宮所長は、9月から始まったオミクロン株対応のワクチン接種が有効と訴えている。

今冬はインフルエンザのワクチン接種を

また、四宮所長によると、今年の冬はインフルエンザの流行にも注意が必要だ。実は日本の感染症の流行は、南半球のオーストラリアとよく似た傾向を示すという。

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
今年に関しては、6月ごろにオーストラリアの方で季節性のインフルエンザがかなり流行してますので、今年の冬は日本でもある程度、季節性インフルエンザが流行するというふうに予想されています

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人所長:
これまでのデータで、コロナウイルスとインフルエンザウイルスに同じ人が感染すると、より重症化するというようなことを示唆するデータも出てきていますので、インフルエンザワクチンもコロナワクチンと同様に接種を考えてもらいたいというふうに思います

コロナ禍になって間もなく丸3年。現在の減少傾向から収束に向かっていくのか、第8波が来るのか。秋から冬にかけての感染回避行動が大きなポイントになりそうだ。

(テレビ愛媛)

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