山陰地方では6日から7日かけて所によって100ミリを超えるまとまった雨にありました。水不足を心配していた関係者にとって「恵みの雨」となったのでしょうか?

田中農場・田中里志社長:
非常に恵みの雨でしたね。待ちに待った雨がやっと降ったなという。

たっぷりと水をたたえ田んぼ。
この様子に安心した表情を浮かべるのは、八頭町で農場を経営する田中里志さんです。
梅雨明け以降、まとまった雨が降らず水不足に悩まされてきましたが、8月7日朝までに降った雨で一息つくことができました。

約1か月前の取材では水が流れていなかった水路も…。

田中農場・田中里志社長:
いまは自然な川の流れが入ってきて、やっと流れ始めた感じですね。

これまで応急措置として必要になったときにだけ近くのため池から水を引き、しのいでいましたが、十分な水を田んぼに送れるようになりました。
稲にとってこれから出穂期、穂を実らせるため、最も水が必要な時期を迎えます。

田中農場・田中里志社長:
潤沢に水があるかというと、まだもうちょっと足りないところもある。もう少し降ってもらって、安心して水を田んぼに供給していけるようになれば。

収穫量や品質に大きく影響するだけに、「恵みの雨」で安心したのもつかの間、空模様に気をもむ日々はまだ続きそうです。

一方、島根県東部を流れる斐伊川の上流にある尾原ダム、貯水量は県内最大級です。
今回の雨を受けて訪れてみると…。

尾原ダム管理支所・栂野秀明支所長:
昨日8月6日8時の貯水率が22.8%。けさの雨で貯水率が0.8%増えました。

午前8時時点の貯水率は23.7%。
午前1時に、ダムができてから最も少ない21.6%まで低下しましたが、国交省の観測によると、ダムの流域では7日未明から朝にかけて70.6ミリの雨を記録。わずかに回復しました。

櫃田優果記者:
ダムの貯水池の別の場所を見てみると、土が露出していて非常に水が少ないように見えます。

少雨が続いた影響で所によっては水位が下がり、普段は水の中にある地面が露わになっていました。

尾原ダム管理支所・栂野秀明支所長:
増加量としてはわずかな量ではあります。平常時の貯水位に回復するには、もう少し雨が降らないと回復しません。

雨は降ったものの、ダムの水位は平常時に比べ14メートル下がり、水不足の心配はまだぬぐえません。
尾原ダムでは、今回の雨では十分水位が回復していないとして、流量を通常の30%にする制限を続けることにしています。
今回の雨は局地的で、一概に「恵みの雨」とはならなかったようです。

貯水率は、安来市の布部ダムで午後2時現在で37.8%、島根県西部の御部ダムで53.8%など2割程度回復したところもあった一方で、尾原ダムや鳥取県西部の賀祥ダムでは1%程度の増加に留まっています。

TSKさんいん中央テレビ
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