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ヘロインの50倍、モルヒネの100倍

いまアメリカで最も多くの命を奪っている麻薬 、合成オピオイド「フェンタニル」。 そのフェンタニルの 過剰摂取が若者の間で急増している。そうした中、司法省と麻薬取締局は新たに広がりを見せている 「レインボーフェンタニル」について警告した。

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麻薬取締局は2022年5月から3カ月半で錠剤約1000万粒と、粉末で450㎏のフェンタニルを押収している。これは3600万人分の致死量だという。2022年2月からこれまでに、21の州で レインボーフェンタニルが押収されている。 

9月27日(火)、メリック・ガーランド司法長官は「レインボーフェンタニルは死亡する可能性があるほど危険だ」と警鐘を鳴らした。

麻薬取締局によると、フェンタニルは ヘロインの50倍、モルヒネの100倍の鎮痛効果をもたらし、少量でも死に至ることもある。 鮮やかに着色されたレインボーフェンタニルは、若者や子供を中毒にさせ商売にする麻薬密売組織による戦略とみられている。

国立薬物乱用研究所のウィルソン・コンプトン博士は「最近のデータでは、フェンタニルが原因で10代や若い大人の死亡者数が40%増加している」と語った。

約7万人が「フェンタニル」過剰摂取で死亡

レインボーフェンタニルに限らず、フェンタニルの過剰摂取による死亡事故は全米で増え続けている。

ネバダ州ラスベガスでは、 麻薬の過剰摂取による死亡事故が36時間で6件報告された。そのうち少なくとも4件はフェンタニルが使用されていた。

救急隊員のボディーカメラの映像には、通報を受け駆けつけた隊員が「薬物は何を使った?」などと問いかけ、フェンタニルの過剰摂取で倒れていた3人に処置を行う緊迫した様子がとらえられていた。3人は一命を取り留めた。

ロサンゼルスでは、この1カ月で少なくとも10代の子供7人のフェンタニル過剰摂取が報告されている。このうち15歳の少女1人が死亡した。

こうした事態を受けてロサンゼルスでは、今後、幼稚園から高校までの全公立学校で麻薬の作用を一時的に抑制する拮抗薬「ナルカン」を常備するという。ロサンゼルス全域学区教育長は「危険を周知させることも大切だが、拮抗薬があれば危険を防げる」と語った。

2021年の統計では、全米で麻薬の過剰摂取による死亡者数は10万人を超えている。そのうち半数以上の約7万人が、フェンタニルの過剰摂取だったという。

(FCIニューヨーク「FCI News Catch!」)  

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