厳しい暑さが過ぎ、秋の風を感じられるようになったが、夏の間に活躍したエアコンは今、どうなっているだろうか? 暖房を使う冬を迎える前にパナソニック株式会社がすすめているのが、「エアコンの夏じまい」だ。

そもそも「エアコンの夏じまい」とは、エアコン冷房稼働終わりの秋(9~11月)に、自宅のエアコンの手入れをすること。

夏場たっぷり活躍してもらったエアコンだが、冬に使う日までほったらかしにするのはNG。エアコンを掃除しないまま放置するとカビの増殖につながってしまうのだという。

カビは気温20〜30℃、湿度70%以上で最も繁殖しやすく多くの胞子を作るため、真夏より湿気が多く気温が下がる秋は、梅雨どきと似てカビの繁殖条件と合致。夏のエアコン稼働時間が長ければ長いほど、冷房使用中に結露した水分がエアコン内部にたまり、カビの成長に適した湿度が保たれてしまうのだという。

エアコン内部に湿気がたまる(イメージ)
エアコン内部に湿気がたまる(イメージ)
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また、エアコンの内部には、フィルターでブロックできないカビ菌のほか、ホコリや油分がどうしても侵入してしまうが、湿気によってホコリが付着しやすくなることで、カビのエサが豊富な状態になってしまうそう。

侵入したホコリがカビ菌のエサに(イメージ)
侵入したホコリがカビ菌のエサに(イメージ)

こうして秋の間にエアコン内で増えてしまったカビが、冬の暖房稼働時に吹き出してしまうため、「夏じまい」が大切になってくるのだ。

「自分で洗浄剤やカビ防止スプレーを使って手入れ」はNG

では、どのような手入れをすれば「夏じまい」になるのか。パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が教える正しい方法は

(1)フィルターの定期的な手入れ
(2)内部クリーン機能や送風運転の活用
(3)見える範囲の拭き掃除

の3つ。
カビのエサとなるホコリは掃除機で吸い、それでも汚れが落ちない時は薄めた中性洗剤で洗い、陰干しをしてしっかりと乾燥。

フィルターはまず掃除機で吸う(イメージ)
フィルターはまず掃除機で吸う(イメージ)

また、エアコン内部の手入れには、洗浄や加熱乾燥・イオンなどを内部に充満させるなどしてホコリの付着やカビの発生を抑制する「内部クリーン機能」を使うのがおすすめ。この機能が搭載されていない場合は、冷房運転の後に「送風運転」を行うことで内部を乾燥させるのが良いという。

さらに、通風路やフラップなどの「通常使用時に見える部分を拭く」ことも有効。

これらの手入れはそれぞれのエアコンの取扱説明書に従って行い、また、掃除がしづらい箇所の汚れが気になる場合やすでにカビが生えてしまっている場合は、専⾨業者に依頼してほしいとのことだ。

すでにカビが生えてしまっている場合は自分で掃除せず業者に依頼を(イメージ)
すでにカビが生えてしまっている場合は自分で掃除せず業者に依頼を(イメージ)

なおパナソニックはエアコンの夏じまいについて、全国20~60代の550人(男性307人・女性243人)を対象としたインターネット調査(2022年8月16日~22日、パナソニック「エオリア」調べ)を実施。

調査では、エアコンの夏じまいをするつもりがあるかについて「ある」と回答したのは半数以下の47%。「ない」が29%、「わからない」が24%となった。

また、夏じまいの予定があると回答した人にどんな方法で手入れをするか(複数回答可)聞いてみると、「自分でフィルターを掃除する」が90%、「自分でエアコン内部を見える範囲で拭き掃除する」が48%、「内部クリーンモード(内蔵お掃除機能)を使う」が32%。

「自分で洗浄剤やカビ・ニオイを抑えるスプレーを使ってエアコン内部のお手入れをする」人が31%、「業者に頼んでお手入れをする」人が8%という結果になった。

「フィルターを掃除する」や「エアコン内部を見える範囲で拭き掃除する」「内部クリーンモードを使う」ことはパナソニックも推奨している良い方法だが、実は3割ほどの人が回答した「自分で洗浄剤やカビ・ニオイを抑えるスプレーを使ってエアコン内部のお手入れをする」のはNG!

また、使用を推奨されているクリーン機能自体を「知らない」という人も、調査の中で約2割ほどいることが判明している。

現在はほとんどのエアコンにクリーン機能がついているというが、運転停止ボタンを押した後に自動でクリーン運転が始まる機種の場合、「電源が切れていない」と思いもう一度運転停止ボタンを押して、内部クリーン機能を止めてしまう場合もあるという。

パナソニックは「内部クリーン機能を正しく理解し、お手入れに活用することが大切」と話している。

エアコン内部をしっかり乾かしてカビ予防を

すでに、この「エアコンの夏じまい」を終えたという人もいることだろう。しかし実はパナソニックが薦めている3つの手入れを全て行おうと思っている人は少なそう、という調査結果。

改めて、秋のうちにやっておきたい手入れの方法や、しっかり手入れができている…という人も「冬の本稼働前にチェックしておきたいポイント」を、パナソニックに聞いてみた。


――「秋にエアコンの手入れをするつもりがある」人は47%。この数はどう思う?

秋は残暑など、エアコンの使い終わりが曖昧になり、お掃除せずに冬の暖房期間に入る方が多いと予測していました。約半数の方がお手入れの意思があり、思っていたよりも多いですが、冷房で酷使した後のエアコンは最もカビやすい状態にあるため、暖房前に必ずお手入れしてほしいですね。


――「フィルターを掃除する」「クリーンモードを使う」「見える範囲で拭き掃除する」。これらは全て行うべきということ?

はい。フィルターのお掃除はフィルターのホコリを取り、使用時の省エネ性を高めます。フラップや送風路など風の通り道に汚れが残っていると、暖房使用期間前にカビ胞子が増殖してしまいます。できる限り拭き掃除いただきたいです。

また、熱交換器や手の届かない内部はしっかり乾燥させることが重要。内部クリーン機能を使うか、搭載機能がない場合には3~4時間の送風や30分以上の暖房運転でしっかり乾かしましょう。

冷房や除湿運転後にはエアコン内部が湿った状態になり、エアコン内部には油分やホコリなどのカビの栄養源とカビが生える条件がそろっています。使わない間に付着したカビ胞子が成長し、カビはどんどん増殖します。エアコン稼働時には増殖した内部のカビ胞子が風と一緒に大量に空気中に吹き出してしまいます。


――「自分で洗浄剤やカビ・ニオイを抑えるスプレーを使ってエアコン内部のお手入れをする」ことが間違いな理由について、改めて教えて

エアコン内部にはアルミや銅といった金属が使用されており、洗浄剤の影響で金属が劣化してしまったり、洗剤が基盤に侵入し、最悪の場合は発煙・発火に至る恐れがあります。エアコンのクリーニングには高い専門知識が必要ですので、お客様ご自身での内部の洗浄等は行わないでください。

冬の暖房シーズンに向けてできることは…

――今手入れをした上で、冬の稼働前に改めてしてほしいことはある?

お手入れを実施した上で、暖房前に試運転を実施し、しっかり暖房が効くか確認をしてください。30℃に設定し、30分くらい暖房運転を実施。しっかり温風が出ているか、異音や異臭はないか、エラーランプなど出てないかを確認していただきたいです。

暖房稼働前には試運転を(イメージ)
暖房稼働前には試運転を(イメージ)

――暖房シーズンが始まったらできる節電方法はある?

(1)フィルターの自動お掃除
(2)風量は「自動」モードで運転。(運転開始時に「微風」になっているとなかなか室内が暖まらず余計な電気代がかかります。)
(3)窓の断熱性をアップ。冬は窓から熱が奪われたり、窓付近で冷やされた空気が足元を冷やすコールドドラフト現象が起こります。断熱シートやカーテンなど窓のケアも重要です。
(4)室外機の周りにはモノを置かない。


――クリーン機能を知らない人が2割、他にもあまり知られていないかもしれない機能やぜひ使ってほしい機能はある?

最近のエアコンでは無線LANが内蔵されており、別売品を購入しなくてもスマホでエアコンの遠隔操作ができます。切り忘れて出かけるとスマホにお知らせが届いたり、帰宅前に自動でONして暖かい部屋に帰宅、リビングから寝る前に寝室のエアコンをONしたりと、非常に便利です。無線LAN内蔵のエアコンでも設定していない場合が多く、是非一度確認いただき使っていただくことをおすすめします。



厳しい暑さの中お世話になったエアコンだが、すぐに暖房が必要な季節がやってくる。安全・健康のためにも今一度「夏じまい」がきちんとできているか確かめてみてほしい。