静岡県の認定こども園で送迎バスに園児が置き去りとなり死亡した事件。こうした中、保育の現場で、独自の安全対策の徹底が進められている。複数での確認を徹底する一方で、人手不足の問題も抱える現場を取材した。

保護者(子ども1歳):
子どもを持つ親として安全に生活できる環境を整えてもらいたい

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静岡県の事件を受けて国は通園バスを持つ全ての幼稚園や保育所、認定こども園などの一斉点検の実施を決定。

北海道も国の指示で今週から安全管理の調査に乗り出している。

道子ども子育て支援課・菊谷克己課長:
(国からは)送迎バス乗車時に複数で名前や人数を確認しているか、点検項目として示されている

調査は2022年内に完了する予定だが、保護者からはしっかり取り組んでほしいという声が上がっている。

「教訓、肝に銘じた…」確認徹底"トリプルチェック"制導入

一方、国の一斉点検とは別に、独自に安全対策の強化に乗り出す認定こども園もある。札幌市・中央区の札幌大谷幼稚園だ。

園では以前から送迎を全て終えた後に、バスの運転手と乗務の先生が車内を「ダブルチェック」して安全を確保してきた。

しかし今回の事件を受けて、園長が最終確認を行う「トリプルチェック」制を取り入れた。

さらに…。

背もたれに園児が隠れてしまう可能性もある通園バス。こちらの幼稚園では、前からだけでなく座席1つ1つ確認することも大切にしている。

札幌大谷幼稚園・渡邉元園長:
安全安心を第一にしなければならない。全職員、肝に銘じた一つの教訓。当たり前のことを当たり前にしていく。複数での確認は絶対に必要なこと

欠かせない現場の"改善" 「ゆとり持って業務できる環境を」

一方、通園バスに関わらず、子供たちの安全を守る上で保育の現場が抱える問題の改善を求める声も上がっている。

札幌市私立幼稚園連合会・藪淳一会長:
今回のバスの件も含め、保育中に起きる事故というのは、人手不足と業務負担が大きな影響を与えているのではないか。保育者が心にゆとりを持って日々の業務にあたる環境を作っていくことが、保育事故を減らしていくために重要

大切な子供たちのいのちを預かる保育の現場。国には現場が抱える根本的な問題の改善も同時に求められている。

(uhb北海道文化放送)

北海道文化放送
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