近年、性の多様性を尊重する観点から、県内の学校でも女子生徒がスラックスをはけるなど、いわゆる「ジェンダーレス制服」の普及が進んでいる。
そうした中、県内トップの進学校・藤島高校(福井市)では3日間、制服や体操服・私服を自由に選んで登校する取り組みが行われた。

生徒会が「私服登校」提案で実現

取材班が2年生の教室を訪れると…、制服のほかに、私服で授業を受けている生徒もいる。

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この取り組みは、服装を自由に選択できる期間として、藤島高校の生徒会が学校側に提案し実現したもの。
校則では「制服の着用が義務」づけられているが、全国でもジェンダーレス制服への理解が広がる中、これからの制服のあり方について考えるきっかけにするのが狙いだ。

9月20日からの3日間、全校生徒1000人あまりが、自分の好きな服装で登校した。県内の全日制高校では、初の試みとみられる。

2日目で変化も…私服も制服も“自らの選択”

初日は制服と体操服の着用が大多数を占めた。

ただ2日目になると、違った動きが出始めた。私服は極めて少数派だが、中には半数以上が私服の教室もあったのだ。

私服を選んだ生徒:
いつもの私服を着ている。いつもと違う服装で集中力が上がっている気がする

私服を選んだ生徒:
最初は私服を着るのに抵抗があったが、新鮮な気持ちで授業に取り組めた。多様性を重んじるのは今、社会全体で重要視されている。この取り組みを続けたい

福井県内の県立高校では、28校中22校で、女子生徒はスカートかスラックスかを選べるようになっている。服装の自由化を提案した生徒会長に、話を聞いた。

坪田樹 生徒会長:
思ったより私服の着用率が低いが、それも自分の選択ということ。自分らしさを味わえているのではないかと思う。後輩には議論を進めていって、校則を変えるなら変える。変えないなら意味を持って変えない、という選択をしてほしい

今後、全校生徒にアンケートを集め、制服のあり方について学校・保護者・生徒会で議論を深めていくという。

(福井テレビ)

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