2019年、福島・川俣町小島地区は東日本台風による300mmを超える大雨で、阿武隈川の支流広瀬川が氾濫し、大きな被害を受けた。

この記事の画像(10枚)

小島地区の自治会長・鈴木栄一さんに案内されて地区を視察した、東京大学客員教授・防災マイスターの松尾一郎さん。

土石流で住宅2棟が全壊…ソフト面の対策課題に

小島自治会・鈴木栄一会長:
ここがトンネルの出口なんですが、土石流が全部、ここから低いこの田んぼに入って広瀬川に流れ込んで、この道路、今舗装面が新しくなってますけど、それはもう全て流出してしまった、崩落してしまった

防災マイスター・松尾一郎さん:
だから斜面の所が、全部崩落してたんですね?

小島地区の住民・落合幸男さん:
今はなくなっちゃったけど、ここに1軒。もう一つ、こちらに1軒で2軒あったんです、これが流されちゃった

防災マイスター・松尾一郎さん:
なるほど。ということは今、堤防は向こう側にいってますけども、護岸はもうちょっとこっち手前?

小島地区の住民・落合幸男さん:
もうちょっと、こっちにあって家があった

町内に人的被害は幸いにもなかったが、広瀬川沿いに位置する小島地区は、住宅2棟が全壊するなど被害が集中した。

川幅を広げるハード面の対策が進む一方で、課題になっていたのが、ソフト面の対策。

小島自治会・鈴木栄一会長:
100年前、50年前の経験が、今役に立たないんだよ。これからも想像を絶する災害が発生する可能性が強いんだよ、ということが盛んに言われてますので、これはうかうかしてられないなと。それでは地区で、自主防災組織を作って備えなきゃならないなと

全校生徒の46人参加…オリジナルの防災マップ完成へ

川俣高校の生徒が、7月から授業の一環で行っているフィールドワーク。鈴木会長が生徒を案内した。

小島自治会・鈴木栄一会長:
大量の土石が、この田んぼの方に入ったということで、田んぼがほとんど全滅しました。10月12日でしたからね、刈り取り間近だったので、農業者の方にとっては打撃でした

2019年の東日本台風の被害状況を調べたり、被災した住民から当時の話を聞き取る活動をしている。

住民・佐藤忠一郎さん:
水はどこから来るかわからないってことが、水の脅威ですね。水がどこから来たっていうのは、なってみないとわからない

小島自治会からの依頼で始まったもので、全校生徒の46人が参加している。自らが暮らす町だが、東日本台風で住宅や道路だけでなく、農作物にも被害が出たことを、ほどんどの生徒が知らなかった。

男子生徒:
浸水によって、田んぼの稲作が滞ってしまうってところでは、色んな所で被害が出ているんだなって感じました

女子生徒:
復興するにもすごく時間がかかって、大変だったなって思いました

この被害をふまえ、川俣町が2022年度中に作成を計画する洪水ハザードマップ。このハザードマップに、小島自治会は地元の高校生も調べた浸水被害などの災害情報を付け加えて、オリジナルの防災マップを完成させる予定。

小島自治会・鈴木栄一会長:
この取り組みをすることによって、生きた社会学の教材として、高校生に受け止めてもらえるんじゃないかなと。(住民には)いつ起こってもおかしくない自然災害に対応するという気構えを持って、自らの命と財産を自らで守るという意識を高めていってほしいなと

防災マイスター・松尾一郎さん:
地域住民の方がそれぞれの被災状況っていうのを、なぜそうなったのかっていうことを理解するってことが、実はそこで雨が降って水が出たときに、どういう被害が起こるかもしれないという想像につながるんです。それがまさに、身を守るためにはどう行動すればいいかってことなので、そこは高校生と今後プロジェクトとして学びながら、それも高校生自らの知識になるはずだから、防災知識、重要なことですね

(福島テレビ)