「夏の風物詩」が3年ぶりに戻った。8月15日夜に開催された長野市信州新町の花火大会。住民も帰省した人も、みんなが待ち望んでいた大会に密着した。

山あいに花火の大輪 静かに浮かぶ灯ろう

夏の夜空を彩る花火。そして、亡くなった人の魂を弔う灯ろう流し。

灯ろう流し
灯ろう流し
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子ども:
大きくてキラキラしてて、まぶしかった

住民:
毎年恒例の行事なので、なんか寂しい感じがしてた。今年は見られてよかった

8月15日夜、3年ぶりに開催された長野市信州新町の花火大会(第70回ろうかく湖とうろう流しと花火大会)。住民、帰省客、待ち望んでいた多くの人が夜空を見上げた。

打ち上げまで、まだ7時間以上ある15日昼前。「特等席」の堤防沿いでは、場所取りが始まっていた。これも、いわば恒例行事。東京から帰省したこちらの男性も、やはりうれしそうだ。

 
 

東京から帰省:
場所取りも毎年こんな感じ。毎年楽しみにしていたが、久しぶりに日常が帰ってきているのかなと楽しみ

3年ぶりに…みんな待っていた

午後2時ころ、住民や中学生が作っていたのは、信州新町の花火に欠かせない「灯ろう」。500基の完成を急いでいた。

「とうろうの会」の林良一さん(64)。「お盆の伝統」を守ることができ、忙しくもほっとした様子だ。

とうろうの会・林良一さん:
また戻ってきたかなと。2年間中止になっちゃうと、もう年だからぼちぼちやめるかというのもあるけどね。灯ろうに関係ない人も「灯ろうはやってくれ」と言うからね

午後3時、露店の営業が始まった。待ちかねていたのは子どもたちだ。

射的をした男の子:
夏祭りがなかったから、新型コロナで。でも、きょうできて楽しかった

第7波の感染拡大で2022年も開催が危ぶまれたが、屋台の数を減らし、観覧席でのバーベキューを禁止するなどして開催にこぎつけた。

手塚清春・実行委員長:
(にぎわいは)自分自身、鳥肌が立つような、いろんな面で3年ぶりということで感無量。70回を数える歴史のある行事なので、3年もやらないでいれば「行事はもういいじゃないか」ということにつながりはしないかと

打ち上げ場所に近い中沢節子さん(85)の住宅。普段、家にいない子どもに孫、そしてひ孫までが3年ぶりに集まり、4世代勢ぞろいだ。

中沢節子さんの家
中沢節子さんの家

中沢節子さん(85):
みんな大勢で楽しみで来てくれるから、顔を見られて楽しい

ひ孫(8):
花火、楽しみです

上流から灯ろうを流す
上流から灯ろうを流す

午後6時半、忙しさが増すのは灯ろうチーム。ちょうど良い時間に観覧席の前を通過するよう、打ち上げ前に2キロ上流から灯ろうを川へ流す。

とうろうの会・林良一さん:
わずかでもいいんで手伝ってください、人数少ないんで

来場者も手伝う…

とうろうの会・林良一さん:
こうじゃなきゃね、自分たちだけやってもしょうがないもんね。皆さん、灯ろうを待っている。花火と一緒にきれいだなと言ってもらえれば、それでいいかなと

午後7時、花火大会が始まった。用意されたのは例年並の約4000発。
灯ろうも観客の前を流れていく。

4世代の中沢家では…

孫(31):
にぎやかで、ちょっとうるさいぐらいで

中沢節子さん(85):
大勢で見られて、楽しかった

中沢節子さん
中沢節子さん

クライマックスは川にかかる「ナイアガラ」。

手塚清春・実行委員長:
これだけの人が来てくれるんだから、また一生懸命やろうと活力、希望ができたのでは。来年も続けて頑張りたい

中沢節子さんの家
中沢節子さんの家

戻った夏の風物詩。山あいに、花火の音が威勢よく響いていた。

(長野放送)

長野放送
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