怪獣と戦う特撮ヒーローに憧れた子供時代。今ではすっかり肉体疲労と日々戦っている人は多いかもしれない。そんな仕事に疲れた大人のためにとっておきのマッサージアイテムが帰ってくる。

その名も「癒スラッガー(いやすらっがー)」だ。

(c)円谷プロ
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1967年に登場した「ウルトラセブン」は今年、放送から55周年を迎える。これを記念してウルトラセブンのアイスラッガーを忠実に再現した疲労撃退グッズ「癒スラッガー」の復刻が決定した。

昭和時代の元・ちびっ子達に説明は不要だろうが、アイスラッガーとはM78星雲からやってきたウルトラセブンが頭頂部に装着している「宇宙ブーメラン」のこと。一度投げつけると「ウルトラ念力」による脳波コントロールで、空中を自在に飛び回りながら白熱化し、敵を素早く切断する。

(c)円谷プロ
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放送を夢中で見ていた子どもなら、アイスラッガーを真似て小学校で紅白帽のツバを頭の真ん中にして被ったり、その帽子の飛距離を競ったことがあるかもしれない。

そんな憧れのアイテムを模した「癒スラッガー」は、2020年に数量限定で販売されて大変好評を博し、この度、3回目の再販をすることになった。

うっかり投げないように注意!

本体は木製で、素材は国内工房で切り出し、職人が手作業で加工を加えてマットなシルバーに仕上げているという。

(出典:公式サイトより)
(出典:公式サイトより)

疲れを撃退する「肩たたき」としてはもちろん、ウルトラセブンになりきって頭に当てれば、自律神経のバランスを整えるという「百会(ひゃくえ)」のツボを刺激できる突起もついている。

しかしこのポーズはアイスラッガーを投げる直前の構えとそっくりなので、「危険なので、なりきりすぎてうっかり投げないようご注意ください」と公式サイトにも書かれている。

(c)円谷プロ
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「癒スラッガー」誕生のきっかけはダジャレみたいなネーミング

「癒スラッガー」のサイズは約W400×H130×D20mmで、価格は6600円(税込)。8月末までウルトラマンショップの店頭やインターネットで予約を受け、発送は11月下旬を予定している。

昭和世代にとってアイスラッガーと言えばやはり投げるものというイメージが強いが、なぜマッサージ器にしようと考えたのか? 過去に買った人からはどんな感想が届いているのか?

「癒スラッガー」を販売するベネリック株式会社の担当者に聞いてみた。


――「癒スラッガー」はどのようなきっかけで開発された?

当時の事業担当者が円谷プロのイベント会場でアイスラッガーが展示されているのを見て、
「ちょうどいいフォルム」だなと思ったことがきっかけです。「アイスラッガーを肩たたきにしてみたらどうだろう…!?」と社内ヒアリングの末、当初は誰も相手にしてくれなかったのですが、担当者の一人が「癒スラッガー」というダジャレのようなネーミングをひらめき、そのネーミングを実現できるような機能のアイデアがどんどんまとまって、商品化が実現していきました。名前先行型の企画でした。


――疲労撃退アイテムとして、どこにこだわった?

「癒スラッガー」でこだわったのはアイスラッガーのフォルムの美しさの再現、そして肩たたきやツボ押しとしての実用性との両立です。美しさの再現と、実用性を得られる適度な重量感を実現する素材を考えたときに、樹脂成型では滑らかな質感は再現できますが重量が十分でなく、金属では重すぎて手が疲れてしまうので、木製にすることで、握りやすく適度な叩き心地が得られる重量感が実現できました。

また、マッサージのための様々な機能は追加したいけれど、アイスラッガーが本来持っている美しい形状は壊したくないというせめぎあいの末、背中を掻くための孫の手の様な先端や、頭にある百会のツボを押すための突起のみを追加しました。カーブの部分で肩たたきとして、突起部分でツボ押しとして、先端部分で孫の手として、3WAYで疲労を撃退できます。孫の手の様な先端部分は意外に痒いところをピンポイントで掻けます。

いつでも身近に吊るして愛用してもらうために(もしくは勢い余って投げてしまわないようにする対策として)持ち手部分には革ヒモをつけました。

頭のツボ「百会」を刺激できる突起と 肩甲骨の奥まで届く先端部分。(c)円谷プロ
頭のツボ「百会」を刺激できる突起と 肩甲骨の奥まで届く先端部分。(c)円谷プロ

――「癒スラッガー」を百会のツボに合わせると、本物の「アイスラッガー」と位置がちょっと違う?

「癒スラッガー」の「突起」を「百会」の位置にぴったり合わせると、厳密にはウルトラセブンのアイスラッガーの位置よりは少し前寄りの位置になります。現在のツボ押しの突起の位置は、「癒スラッガー」の前後を手でつかんで「百会」のツボを押すときに力が入れやすい位置として、実用性を優先して調整しました。

実際に使用すると肩たたき機能やツボ押し機能は大変具合が良く、アイスラッガーの形状そのものが、この為にデザインされたのではないかと疑いたくなるほどです。

本物のアイスラッガーが何でできているかは「機密事項」

――これまで購入した人からはどんな感想が寄せられている?

「思ったよりデカい」、「使わない時の収納台としてセブンの頭もほしい」、「デカいアイスラッガーってだけで満足度が高い」、「サイズもいいし、めちゃくちゃツボに効きます」、「結構効く」など、サイズに対する満足感や、実際の使用感が思っていたより良いというお声をいただいております。


――日本の疲労している社会人にメッセージを!

「ウルトラセブン」の放送から55周年を迎える今、疲れた現代人の「疲労」を「ヒーロー」が癒してくれたら…と思っています。ぜひ騙されたと思って「癒スラッガー」を頭や肩にあて、その効果を体感してみてください。


――ちなみに「癒スラッガー」は木製だが、本物のアイスラッガーは何でできている?

ウルトラセブンの戦闘能力や宇宙防衛にも関わる機密事項となりますため、弊社からの回答は控えさせていただきます。

(c)円谷プロ
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ウルトラセブンも放送55周年。リアルタイムで見ていた世代は60歳近くかそれ以上になり、再放送などで見ていた人たちも、今まさに疲労との戦いが佳境に差し掛かっているかもしれない。

体が疲れてピンチになったら、ヒーローよりもこのようなマッサージ器に助けを求めてみてはいかがだろうか?

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。