私がお伝えしたいのは「災害で避難をすれば1万円」です。

あいおいニッセイ同和損保は、震度6強以上の地震などの災害で避難所に避難すれば、被害なしでも1万円を支給する特約を10月から個人向け火災保険に付けます。損害無しでも補償するのは大手損保では初。

その狙いとは?ポイントはこちら。「早めの避難で命を守れ!」注目です。

【注目ポイント・記者解説】

あいおいニッセイ同和損保の新たな特約は、契約者が災害発生時に避難所などに避難した場合、家財の損害が出たかどうかにかかわらず、一律1万円が支払われるもので、個人向け火災保険「タフ・すまいの保険」の家財を対象とする契約に10月1日以降、自動で付与されます。追加の保険料は発生しません。

適用されるのは、死者が多数出た場合などに政府が指定する「特定非常災害」の対象となった風水害や、震度6強以上の地震など一定の規模以上の災害です。

「損害なしでも補償する」。大手損保で初めてとなるこの特約が設けられた背景には、豪雨や地震などの自然災害が頻発・激甚化するなかで、命を守るための「早めの避難」が社会課題となっていることがあります。

200人以上の死者が出た2018年7月のいわゆる「西日本豪雨」では、土砂災害が多く発生した広島市内で「これまでに経験したことのないような大雨(特別警報)」と聞いても96%以上の人が「避難しなかった」とする調査結果もあります。

あいおいニッセイ同和損保の担当者は、「一人でも多くの方に避難してほしいという思いで商品を開発した」と話していて、避難すれば一時金が担保される特約で「早めの避難」を促し、被害の軽減につなげたい考えです。

(フジテレビ経済部 茅野朝子)

茅野 朝子
茅野 朝子

フジテレビ経済部 兜・日銀キャップ
信託銀行から転職後、経済部で民間企業、経産省、日銀などを担当。2021年に9年ぶりに経済部に復帰。