ミラノ・コルティナオリンピックの女子フィギュアスケートで銀メダルを獲得した坂本花織選手(25)と銅メダルを獲得した中井亜美選手(17)が記者会見を行った。
ーーきのうの戦いから一夜明けてのあらためての心境というところと、きのう夜遅かったと思いますが、どのような夜を過ごされたか、眠れたかも含めて教えていただければ。
坂本花織選手:
きのうのフリーで自分の納得いく演技ができなかったのが本当に悔しくて、最後ここで、このオリンピックで最後一発決めたかったっていうのは正直あったので、いろんな人に最高の姿を見せることができなかったっていうのはすごく悔まれるんですけど、それでもやっぱり、ここまで頑張ってきたのは、頑張ってきたことが、この銀メダルっていう結果につながったと思うので、それはしっかり受け止めようっていう気持ちで、一夜明けてすごく感じたことです。一睡もできなくて、ちょっと帰るのが遅くなったりして、なかなかきょうの朝まで時間がたつのが早かったんですけど、帰ってからは「りくりゅう」とトレーナーさんと一緒に打ち上げしました。
中井亜美選手:
まだ一夜明けた感覚がしてなくて、自分は1時間半ぐらいしか寝れてなくて、寝る前もずっと友達からの返信してたり、結構いろんな自分のニュースだったりを見て、それでやっと実感が湧いてきて、本当に頑張ってよかったなというふうにあらためて思います。
ーーお二人にとってこのオリンピック、一言で言うとどんなオリンピックだったのか。それとこの後、お二人は世界選手権の代表にもなっていると思いますが、この後の目標があれば。
坂本花織選手:
団体戦も個人戦も含めて本当にこの大会は充実でした。とにかく今回目標にしていた団体・個人ともに銀メダル以上の目標を達成することもできたし、団体戦では本当に今までにないくらいすごく楽しかったし、みんながこのオリンピックっていう場を楽しんで滑ってるのをこの目で見ることができて、自分もすごく力をもらいましたし、個人戦に向けてすごく励みになって、日々本当にこんな充実していることって、めったにないなって思ったので、この今大会の言葉は「充実」です。
世界選手権に向けてのコメントはちょっと控えます。
中井亜美選手:
今大会はうれしい気持ちもあるんですけど、ここからがスタートだなというふうに思っていて、やっぱりあと2回オリンピックに出場できる年齢ではあると思うので、それをふまえて今回経験できたことだったりを次のあと2回につなげていけたらいいなというふうに思っています。
世界選手権は今回ショートプログラムはすごくよくて、フリープログラムで少し細かいミスだったりが多かったので、そこをしっかりと世界選手権までに直していって、今回のようにいい結果で終われたらいいなと思います。
ーー坂本さんは前回、メダリストとしてこの大会に唯一臨んだ女子として、銅からまたメダルを取るという4年間がどんな苦労があったか、どうして取れたか。中井さんは、坂本さんの話を聞いたうえで、自分が銅メダリストとして4年後どうやって臨むのか、どんな参考になるかというのを教えてください。
坂本花織選手:
北京の銅メダルを獲得して、一番最初の壁にぶち当たったのは直後の世界選手権で、やっぱり世界的にいろんな情勢があって、本当にシンプルに言うと、上の2人がやっぱり出られなくなってしまったということで、先生からも「あなたが優勝しないとダメなのよ」みたいな感じで、結構かなりプレッシャーをかけられて、そこでやっぱりつかみ取った金メダルっていうのは、本当に自分にとってすごく大きな経験だったんですけど、そこからやっぱり頑張りすぎなのか、すごく燃え尽きてしまって。あとこの間の3年っていうのは、本当に大変なシーズンだったんですけど、もちろん自分の苦手な分野、分野っていうかジャンルの曲に挑戦してみたりとか、やっぱり今、自分ができないことをこの3年かけてできるようにして、自分が何が得意で、何が不得意かっていうのをわかったうえで。じゃあ次、この4年後のミラノオリンピックで、どういう選曲で、どういう戦い方でやっていくのかっていうのを、この間の3年でしっかり学ぶことができたので、それで今回、こういう銀メダル2つっていう結果を得ることができたので、この3年、本当に順風満帆ではなかったんですけど、それでも本当に自分にとってたくさんいい経験ができた3シーズンだったかなと思いました。
中井亜美選手:
花織ちゃんの話を聞いて、やっぱりメダリストとして挑む世界選手権になると思うんですけど、正直初めての世界選手権なので、まだどういう緊張感があるとかも分からないので、本当に初心を忘れずに、世界選手権は挑みたいなというふうに思っていますし、4年後に向けてやっぱり自分もまだ足りてないところが多いので そこをどうやって詰めていくかっていうのも、先生としっかり話し合って成長できたらいいなっていうふうに思います。
ーーオリンピック全体として感じたものは?
坂本花織選手:
1回目の平昌オリンピックの時は、選手同士で共同生活みたいな雰囲気が新鮮で、やっぱりシニアに上がると、普段の試合は1人1部屋みたいな感じだったんですけど、それは北京も一緒なんですけど、なんかお家みたいな間取りで、みんなで、女子みんなで過ごすみたいな感じが、なんか試合なのに試合じゃないみたいな感じで、すごくその競技外のところでも、すごくリラックスできる楽しい雰囲気で過ごせる場でもありましたし、ちょっと部屋を出たら違う競技の選手たちがいっぱいいて、いろんな関わりができて、競技同士、競技が違うけど、「頑張ってください」とか「頑張っていきます」みたいな感じのやりとりができるっていうのもすごくいいなって感じたし、今回は広域開催だったので、なかなか山の競技の方と関わることができなかったので、なかなかそこはちょっと寂しかったなっていう感じはするんですけど、それでもやっぱり、スケート競技の4カテゴリーが集まって、結構わちゃわちゃできたので、そこはすごく楽しかったし、競技の部分ではやっぱり、前回が無観客だったので、観客が関係者ばかりだったので、なかなかちょっとアウェーだなっていう感じもあったんですけど、今回平昌の時と同様、本当にいろんなファンの方も来てくださったし、親戚とか家族とかも来てくれたので、それはすごく、こんな遠いところまで来てくれて、わざわざ応援してくれて、すごくうれしいなというのをまたあらためて感じました。
中井亜美選手:
初めてのオリンピックだったので、分からないことだらけだったんですけど、選手村とかも思っていた以上にすごくて、自動販売機で無料で買ったり、ピッとやったら買えたりするのがびっくりしたし、食堂も広くて、ほかの選手の方との交流が初めてだったので、それもすごく新鮮でしたし、試合終わりにみんなで一緒にご飯を食べながら話したりするのがすごく楽しかったなと思います。
ーーとてつもないプレッシャーがあったと思うんですけれども、どのような精神状態で待っていたのか?
坂本花織選手:
私自身、最後のオリンピックだったので、本当にいろんな場面をこの目で焼きつけたいと思って、それぞれのカテゴリーの応援をしたり、本当にそれを見て自分もすごく力をもらって、個人戦に向けてもちろん、ちょっと不安になる部分もあったんですけど、それでもやっぱり力をもらった方が大きかったので、そこでやっぱりいろんな刺激を受けて個人戦に向けて挑めたのはすごくよかったかなって思います。
中井亜美選手:
ショートが終わって自分の順位が1位って分かった時は正直びっくりしましたし、その時は結構プレッシャーだったり、やらないといけないなっていう気持ちになってたんですけど、フリー当日の日は結構気持ちをちゃんと切り替えて、ショートのことは1回忘れて、フリーは一から頑張ろうというふうに思っていたので、本番の時はそこまでプレッシャーもなく緊張もなく、いつも通りの自分で挑めていたので、そのおかげというか、それでトリプルアクセルも落ち着いて着氷できる要因になったかなと思います。
ーーフリーから一夜が明けて、どんな景色が目に焼きついていますか?
坂本花織選手:
きのう終わった段階で、本当に自分に、こんな自分にたくさん応援してくれた人たちがいっぱい泣いてくれて、たくさん声をかけてくれて、今まで頑張ってきてよかったなとか、こんなにもたくさんの人に応援してもらえてたんだっていうのをすごく実感できて、すごく幸せ者だなっても思ったし、でもその反面、やっぱりこのたくさんの人たちに、もうちょっといい景色を見せたかったなっていうのは正直ありました。
ーー坂本選手にきのうの結果をふまえて、来期以降にちょっと未練とかが芽生えてないかというところと、きのう「りくりゅう」さんと帰ってからどんな話をしながら盛り上がったのか教えてください。
坂本花織選手:
未練は正直ないですね。このシーズンでやりきるって決めてたので、正直この結果はもちろん悔しいですけど。21年間やりきったの方が大きいので、未練はマジでないです。
で、「りくりゅう」たちと何話したかな。何の話したっけ?なんか璃来と龍一君の夫婦げんかみたいなのをずっとひたすら聞いてて、なんかいつもするんですよ、あの二人が。なんか龍一君が「花織ちゃん聞いてよ、璃来がさ」みたいな感じで話して、「でも龍一君が…」みたいな話を一生聞いてます。それに対して、ずっと仲良しやなっていう、ほんわかしたムードの会話しかしてないです。
ーー女子のフリーが始まる前の段階で、冬季五輪のメダル獲得数が98個で、お二人のメダルで100個になりました。JOCの公式記録的には99が2人いて、99、99、101となるみたいなんですよ。で、「私こそが100個目だ」って、お二人で決めていただきたいなと思って。
坂本花織選手:
いやいや、一緒99、一緒で99。