大好きな酪農盛り上げたい…体験通して食や命学ぶ

酪農を体験しながら、食や命について楽しく学ぶことができる「酪農教育ファーム」。愛媛で唯一の酪農教育ファームに取り組んでいる牧場を取材した。
いったい、どんな体験と学びがあるのか。

牛のお乳を搾ったり、子牛にミルクをあげたり…

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ここは、一般の人もバターづくりに挑戦するなど、酪農体験を通して食や仕事、命について学ぶことができる、愛媛県内で唯一の酪農教育ファーム・平井農場。
大好きな酪農をもっと知ってもらい、盛り上げたい。ここは、そんなある酪農家の夢がつまった場所でもある。
平井農場があるのは、緑豊かな山々に囲まれた、西予市野村町栗木地区。乳牛11頭と繁殖用の和牛8頭を飼育する、この小さな農場を営んでいるのは平井正人さん(36)。牛の世話から乳しぼりまで、1人で切り盛りしている。

酪農家・平井正人さん:
この地区が牛飼いさんが多いっていうのもあったりして、そういう酪農というのを見せてもらって、「あっ、酪農やりたいな」って。何か大きなきっかけがあったわけではないんですけど、この町で育っていく中で、自然に牛にひかれていった

平井さんは、8歳と2歳の娘を持つ2児の父。妻・伊津子さんは子育てをしながら、平井さんの父親が営む畑作を手伝っている。

一家を支える大黒柱として、たった1人で農場を経営している。

朝5時、平井さんの長い1日が始まる。牛舎で作業を始めると、その音を聞きつけて牧場から牛が続々と戻ってきた。

平井さんの農場では、乳を搾るのは6頭。1時間ほどで作業を終えた平井さん。自分の牛の乳をしぼり終えると、すぐに車に乗り込む。

「酪農ヘルパー」もう1つの大きな収入源に

酪農家・平井正人さん:
「酪農ヘルパー」っていうのをしてます。酪農家さんって、毎日の仕事で休みがないんですけど、何かあった時とか、自分が休みたい時に、代わりに餌やりとか、乳しぼりとか、除糞とかを農家さんの代わりにする仕事です

牛乳の売り上げに加えて、平井さんのもう1つの大きな収入源は、フリーの酪農ヘルパー。餌やりや乳しぼりなどを、休みが取れない酪農家に代わって作業をする仕事だ。病気や急用など、予期せぬ事態にも対応する助っ人として、月に30件ほどの依頼を受けている。

朝5時から働き始め、作業を終えたのは午後11時だった。息つく暇もなく働く日々。平井さんがここまでがんばるのは…

酪農家・平井正人さん:
ただただ牛を飼うんじゃなくて、消費者とつながるという酪農の仕方というのが、やっぱり面白いなというのが1番あって。家が酪農家じゃなくても酪農体験することによって、牛飼いになってみたい、獣医になってみたい、畜産に関わりたいっていう人が増えたらうれしいなと思います

1日1組限定も…これまで80人超が体験

酪農教育ファームは、自分の農場を持ったら必ずやりたいと、長年温めてきた夢の場所なのだ。
この日、体験に訪れたのは、松前町から来た佐々木さん親子。

酪農家・平井正人さん:
この第1胃っていうのが、容量的に200リットルくらいあります。ここに餌を食べられる時に、いっぱいためこんでて、後から反すうっていって、食べた物を1回口に戻して、かみ直したりします

ただ乳を搾ったり、子牛にミルクをあげたりするだけでなく、牛の生態や特徴、仕事の進め方など、さまざまなことを楽しく学んでいく。

2時間の酪農体験が終わったあとも、興味が尽きない佐々木さん一家。平井さんに質問をぶつけては、酪農への理解を深めていた。

佐々木陽花さん(10):
(牛が)大きくてびっくりしました。乳しぼりしたりとか、赤ちゃんにミルクあげたりしたところが楽しかったです

父・剛さん:
子どもにいろんな経験をさせたかったなと思ってたので、良かったと思います。当たり前に飲んでる物が、こういう苦労をしてくれてる中で、できてるんだなというのがよくわかりました

2021年4月に酪農教育ファームを始めて、1年あまり。
週末を中心に、1日1組限定にもかかわらず、これまでに80人を超える人たちが訪れた。

酪農家・平井正人さん:
うちの牧場に体験に来てくれた子が、「酪農やります」って出てきたら、うれしいなと思います。その子とお酒を一緒に飲みたいですね

酪農に生活の全てを注ぐ日々。
平井さんにとって酪農教育ファームは、その先に見えてきた夢のカタチ。

(テレビ愛媛)