大雨によって洪水に襲われた場合、どのように命を守ればいいのか。水難学会の会長に話を聞いた。
冠水が始まったら「考える余裕はない」
8月3日・4日、記録的な大雨となった新潟県内。各地で床上浸水が発生し、救助要請が相次いだ。

水難学会の会長で、長岡技術科学大学の斎藤秀俊教授は「道路の冠水が始まったら、自宅の2階など高い所に垂直避難するしかない」と指摘する。

水難学会 斎藤秀俊 会長:
冠水しても「ちょっとぐらいなら歩いて逃げられるかな」という方も多いと思うが、冠水は突然やってきて、あっという間に深くなるので、考える余裕がない

さらに雨が降り続き、屋根の上まで水に浸かったときは、「呼吸を確保する道具が必要になる」と言う。
水難学会 斎藤秀俊 会長:
2階にいる時点で、救命胴衣があるなら着ておく。緊急浮き具は常に手に持つ。いよいよ、もう水で自分の体が浮き始めたとなったら、それにつかまって浮いて流される
体を水面に浮かべる“緊急浮き具”は、衣類の入ったリュックや厚手のジャケットなどを指す。リュックは日頃備えている避難用リュックなどで代用が可能だ。

おなかにリュックを抱え、ラッコが浮くような姿勢をとると呼吸が確保されるため、水面に浮きながら救助を待つことができると言う。
斎藤会長は、「普段から救命胴衣や緊急浮き具を準備することが重要」と訴える。

水難学会 斎藤秀俊 会長:
洪水がひとたび起こったときに皆さん色々考えるが、それでは遅い。洪水が来る前に、すべて備えをしておく
(NST新潟総合テレビ)