次々と明らかになる旧統一協会と政治のつながり。8月1日、与野党の国対委員長が会談し、国会閉会中にこの問題についても審議を行うか話し合われた。

「統一教会」から「家庭連合」へ 変更の経緯は

岸田首相は、7月31日に初めてこの問題について初めて言及。「丁寧な説明が必要」だと繰り返した。

岸田文雄首相:
社会的に問題になっている団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明をしていくことは大事である

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安倍内閣で文部科学大臣を務めた安倍派の重鎮、下村博文議員にも説明を求める声が出ている。

2015年、教団はこれまでの「世界基督教統一神霊教会」から現在の「世界平和統一家庭連合」へ、団体名の変更が認められた。その当時の文科相が下村氏だったのだ。

2015年10月、名称変更直後の教団の集会では、当時の会長が「この日本におきましても、家庭連合としての新しい出発ができることとなりました」と述べ、会場からは大きな拍手が起こった。

旧統一教会をめぐっては、いわゆる霊感商法的な手法が指摘されるなど、長年社会問題化していた状況があった。名称を変えることで、教団の活動をしやすくする狙いもあったのだろうか。

旧統一教会との関係が取り沙汰されている下村氏が、当時の担当大臣としてこの名称変更に関与していたのではとの指摘があるが、下村氏は7月21日に「全く関わっていません」と答えている。

文化庁から事前報告 下村氏「指示はなかった」

8月1日、FNNが文化庁に問い合わせたところ、次のように回答した。

文化庁:
事前に大臣に報告していたのは事実。普段は部長決裁なので大臣に報告はしないが、“統一協会”の注目度が高かったため状況を報告していた。

文化庁との間で食い違う言い分。下村氏はFNNの取材に対し、事前に文化庁の事務方から「事務的に進めます」との報告があったと認めた上で、「特に私から指示することはありませんでした」と文書で回答した。

FNNの取材に対する下村博文議員の回答
FNNの取材に対する下村博文議員の回答

一方、名称変更に関わる経緯などが記された文化庁の開示資料を見ると、名称変更の理由部分が黒く塗りつぶされていた。

旧統一教会側から添付された書面には、一面真っ黒のものもある。

教団側は8月1日、FNNの取材に回答。名称を変更した理由について、“統一協会隠し”ではないかとの指摘に対しては「負の側面を隠すなどの意図はない」とした上で、下村氏の関与についても否定している。

(「イット!」 8月1日放送)