山口県山口市の南西部にある小郡地区で、7月に入って昼夜構わず、次々とヒトを襲う“凶暴サル”。
捕獲に苦戦するなか住民は、枝切りバサミなどで自衛も始めています。

“狂暴サル”により、7月8日から7月25日の午後5時頃までに42人がケガ。
25日には、小学1年生の男の子が家の中にいたところ、突然サルが網戸を開けて侵入。額をひっかかれ、左手を捕まれました。

サルに襲われた小学生の父親:
本当10秒も、なかったと思う。5秒、本当にすぐ入ってきて、すぐ逃げたっていう感じです

町全体が“厳戒態勢” 武装する住民も… 

“凶暴サル”は動きも素早く、1匹なのか、グループなのか、もわかっていません。
町全体で“凶暴サル”を警戒する中で、サルから身を守るため工夫する住民も…

男性住民:
(サルと)目があったらやられますからね 護身用にこれも持ってる

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見せてくれたのは、枝切りばさみ。
さらに護身用にパチンコも持って出歩くようにしていると言います。
別の女性は、長い棒を持っているとサルが怖がるという話を聞き、傘を持ち歩くなど、住民それぞれが独自に“凶暴サル”対策を行っていました。

専門家が指摘「人間を襲えば、自分(サル)にとって利益があるというふうに学習」

小郡地区の“凶暴サル”について、動物研究家パンク町田氏によると、ヒトを襲ったサルはニホンザルで、群れから追い出されたメスのサルの可能性があるといいます。

また、ヒトを襲っている理由については…

動物研究家パンク町田氏:
単純に人間を襲えば、自分にとって利益があるというふうに学習してしまってですね。
要するに戦って勝つということ自体、自分に対する利益です。
今回の場合は、系統的に近縁の人間を選んで、“ぬくもり”を求めたという可能性もありますよね。

住民が感じる「例年との違い」食べ物に手をつけずヒト襲う

現場を取材していた田中良幸キャスターは「例年この地域に出るサルというのは、食べ物を盗っていったり、いたずらするレベルだったが、とにかく今回は人を襲い続けている」と住民らが感じている“違い”に言及。
「被害者の方の話では、家の中に入ってきても、襲った後に5秒くらいで逃げていってしまうので、家の中にある目立つような食べ物も何も手に付けず、周辺の畑の野菜も全く物色したあとがない。このあたりが地元住民としては、例年との違いかつ、一番怖いところだそうです」と話します。さらにこれまで0歳から80代の幅広い年代の人たちが被害に遭っているが、成人男性も被害にあい、サルがどんどん凶暴化していると指摘しました。

市としてはさらに警戒を強めています。

(めざまし8 7月26日放送)