2020年、福岡市の商業施設で、女性が殺害された事件の裁判員裁判。殺人などの罪に問われている当時15歳の少年は、被害者に謝罪の言葉を述べた一方で、遺族に宛てて書いた謝罪の手紙は「本心ではない」と証言。また、更生したいか問われると「できないと思う」と述べた。

「長い包丁で」「何回も」刺した… 犯行の状況を淡々と

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続いて行われたのが、検察側の被告人質問。少年は、女性トイレで犯行に至った経緯をさらに詳しく語った。

検察側:
被害者と友人は女性トイレへ 後ろからついていった?
少年:
はい

検察側:
2人に性的な行為をしたかった?
少年:
そういう気持ちもあったかもしれないが、詳しくは覚えていない

検察側:
トイレの個室から女性が出てきた? どちらの女性?
少年:
被害者の女性

検察側:
あなたはどうした?
少年:
包丁を慌てて向けましたね

その後、少年と被害者の女性はもみ合いになったという。そしてー。

少年:
ずっと押さえるのが無理だったので、とっさに刺した

検察側:
刺したのはどの包丁?
少年:
長い包丁

当時の状況を淡々と語った少年
当時の状況を淡々と語った少年

検察側:
どこを刺した?
少年:
はっきり覚えていないが、背中の後ろへん

検察側:
何回、刺した?
少年:
はっきり覚えていない。何回も刺しているように思う

検察側:
傷は腰、首、顔?
少年:
刺していたと思う

検察側:
刺している中で女性は?
少年:
血が上っていて、あまり覚えていない

動揺した様子もなく、17歳の少年は検察側の質問に淡々と答えた。

自らを“人間のクズ” 「人は変われない」

続いて、被害者側の代理人の弁護士が質問に立った。

被害者側の代理人弁護士:
あなたがこの事件に向き合っていると思えない。変われないからですか?

少年:
人間、クズはクズのまま。変われないと思う

被害者側の代理人弁護士:
更生したい?
少年:
できないと思う

被害者側の代理人弁護士:
なぜ?
少年:
人はそんなに変われないと思う

自らを人間のクズと呼び、人は変われないと言い切った17歳の少年。事件後、女性の遺族に宛てて2回、謝罪文を書いたというが、送ってはいなかった。
この謝罪文について裁判長はー。

 

裁判長:
遺族への手紙は本心?
少年:
…本心ではなかった

裁判長:
なぜ手紙を書いた?
少年:
そうした方がいいかなと思って書いた。形として謝罪文を残した方がいいと思って書いた

判決は、7月25日に言い渡される。

(テレビ西日本)