山上容疑者が「恨みがあった」と供述している宗教団体が会見を行った。

「山上容疑者本人は信者ではない」と説明

7月11日午後2時すぎ、東京都内で会見した宗教団体「世界平和統一家庭連合」。2015年まで“統一教会”として活動してきた宗教団体だ。

世界平和統一家庭連合​ 田中富広 会長:
このたびの蛮行は決してあってはならない行為であり、強い憤りを感じております。容疑者である山上徹也氏の供述内容の一部が警察によって発表され、”特定宗教団体に対する恨み”が動機になっているという報道がなされました。

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山上容疑者は、安倍元首相を銃撃した動機について「母親が旧統一教会の信者で、多額の寄付をして破産した。安倍元首相がつながりがあると思い込んで犯行に及んだ」と話しているという。

会見で旧統一教会は、山上容疑者の母親が信者であると明らかにした。

世界平和統一家庭連合​ 田中富広 会長:
山上徹也容疑者の母親は当法人の教会員であり、これまでも1カ月に1回程度の頻度で、教会の行事に参加してまいりました。

山上容疑者の母親は、2カ月前にも関連行事に参加したと説明。一方で「容疑者は信者ではない」とし、さらに「山上容疑者の家庭が破綻した事は把握していた」と説明している。

Q. 献金の仕組みは

世界平和統一家庭連合​ 田中富広 会長:
ご本人の意思で献金されていきますが、献金の額それぞれは、ご本人の信条に基づいて献金されていると受け止めている。ノルマという扱い方はしておりません。(山上容疑者の)お母さんの入会は、1998年ごろだと思います。破綻されたとお聞きしていますが、これが2002年ごろだったと思います。

一方、具体的な献金額については、記録が辿りきれず、捜査中のことでもあるとして言及を避けた。

霊感商法などが社会問題に…安倍氏との関係は

旧統一教会は1954年、韓国で創設された。世間の注目を集めたのが、国の内外から集まった数千組の信者が一斉に結婚式を挙げる「合同結婚式」だ。

その一方で、信者が壺や印鑑を高額で販売する「霊感商法」や、旧統一教会がその正体を隠して行う“勧誘”などが社会問題化した。

霊感商法の被害者救済などに取り組んでいる「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は、取材に対し次のようにコメントした。

全国霊感商法対策弁護士連絡会:
全ての財産を捧げなさいと迫られ、資産を奪われたという相談を受けている。被害相談額は1200億円以上に及んでいて、すでに教団側に何百億円単位の和解金を支払わせている。

11日の会見では、山上容疑者が動機として供述した「安倍元首相と旧統一教会との関係」についても質問が飛んだ。

世界平和統一家庭連合​ 田中富広 会長:
私たちの友好団体が主催する行事に、安倍元首相がメッセージ等を送られたことはございます。ただ、世界平和統一家庭連合の会員として、安倍元首相が登録されたこともありませんし、また顧問にもなったことはございません。明確にそこは申し上げておきたいと思います。

一方、母親と旧統一教会との関係が、事件の引き金になったとの指摘があることについては…。

世界平和統一家庭連合​ 田中富広 会長:
それが真実の動機だというふうに、最終的に捜査の総合的な結果に至ったとしたら、それはとても重く受け止めていきます。

事件前日に試し撃ち「去年秋くらいには殺害考えた」

山上容疑者は銃撃事件を起こす前日の7日早朝、「旧統一教会の関連施設で手製の銃の試し撃ちをした」と供述していることが新たに分かった。

11日午後5時すぎ、弾のような痕が見つかった現場に捜査員が到着。警察による現場検証が行われた。

警察が現場検証
警察が現場検証

近所の住民は、早朝に“異様な音”を聞いていた。

近隣住民:
7日の朝4時ですね。すごい音でした。バーン!っていう破裂するような音でしたね。安倍元首相の撃たれた2回目の音、あれのもっと大きな音でした。

警察の調べに対し、山上容疑者は「大きな音がして、その場からすぐに立ち去った」と供述。

さらに「去年秋くらいには安倍元首相の殺害を考えた。爆弾では関係がない人に被害が及ぶから、ピンポイントで狙える銃にした」などと供述しているという。

(「イット!」 7月11日放送)