「渡る世間は鬼ばかり」や「家政婦は見た!」など名脇役として親しまれた野村昭子さんが
7月1日に亡くなっていたことが分かりました。めざまし8は、野村さんをよく知る石井ふく子プロデューサーを取材。
野村さんは一人暮らしで、死因は熱中症の可能性があるといいます。

「スタッフにも気さくに」”渡鬼”Pが語る野村昭子さん

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4日、めざまし8が取材したのは、ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」のプロデューサー、石井ふく子さん(95)。

ドラマプロデューサー 石井ふく子氏:
現場では、みなさんスタッフも本当によくしていただいて、親切で、優しい方なんだなっていつも本当に頭が下がる思いでした。年頃も同じで、いつもお互いに頑張ろうねって言い合った仲なので、寂しいです

撮影現場では、いつも元気な様子で、スタッフにも気さくに話しかけていたという野村さん。「渡鬼」では、小料理店「おかくら」を手伝う青山タキ役を演じていました。

ドラマプロデューサー 石井ふく子氏:
調理場というのは、立ちっぱなしなんですよね。ドラマで稽古していたりしても、お疲れになるから座ってください、と言っても「大丈夫よ、私元気なんだからそんなに心配しないでよ」って

37℃の猛暑日 死因は熱中症か…1人暮らしで倒れ おいが発見

石井さんは、“最期の状況”について、野村さんの親族からこう聞かされていました。

ドラマプロデューサー 石井ふく子氏:
おいごさんが、1週間に2回くらい行ってらっしゃって、行ったら倒れてらっしゃったと。そしたらもう亡くなっていたらしいです。お一人暮らしだから、何かあったんじゃないか、っていろいろ警察の方がお調べになりますよね。そして、お医者さんでみてもらったら、熱中症だったということみたいなんです

95歳の野村さんは、都内の自宅で一人暮らし。倒れているのが見つかった1日の東京は、最高気温37℃を記録、7日連続となった猛暑日でした。

ドラマプロデューサー 石井ふく子氏:
寂しかったなって、そばにいてあげられなくて本当に申し訳ないなって思いました

“熱中症”死亡者の9割は屋内で…増える高齢者の1人暮らし

東京都監察医務院によると、6月26日から7月2日までの1週間で、都内で熱中症の疑いで亡くなったのは、40代から90代の男女44人。
約9割にあたる40人が屋内で倒れた状態で見つかり、さらにその半数以上の24人が、部屋に設置されていたエアコンを使用していなかったといいます。

街の人からも…

40代女性:
親も高齢で、家でクーラーもつけないでいるので結構心配ですね。必ず毎日朝7時過ぎに(メッセージのスタンプが)来るので、逆にこれが来ないと私が心配になっちゃって、「生きてる?」「大丈夫?」って感じです

熱中症で亡くなる人のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は、8割以上というデータも。

高齢者の1人暮らしも増え、この15年間の数字を見てみると、右肩上がりで増加しています。2020年の国勢調査によると、1人暮らしの高齢者は、男女合わせて671万人という数字になっています。

猛暑が続く中、どうすれば熱中症から高齢者を守ることができるのでしょうか。

感覚が鈍くなり水分摂取量低下…暑さを感じないケースも

高齢者の熱中症の危険性について、済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師に聞きました。

済生会横浜市東部病院・谷口英喜 医師:
まずは、高齢者は筋肉量が低下します。これによって体内の水分量が減ってしまいます。さらに、加齢により感覚が鈍くなっている中、本当は水分をとらなければいけないけれども、食事の量が減ったりして、結果的に水分摂取量が低下してしてしまうというメカニズムです

谷口医師によると「症状が出にくいため、搬送された高齢者は重症者が多い」ということです。

加齢により感覚が鈍くなっていることが影響しているのか、暑さを感じずにエアコンをつけないケースもあるといいます。室内でも熱中症の危険がありますが、では、室温がどのくらいになると体に影響が出るのでしょうか。
谷口医師によると、室温28℃を超えてくると、体に熱がたまり始め、体温が上昇。普通であれば汗をかくことで体温調整をしますが、高齢者はこれがうまくできないため、熱中症のリスクが高まってしまうということです。

(めざまし8 7月5日放送)